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町田・黒田監督がJデビュー! 青森山田で“満員埼スタ”経験も「選手権とは雰囲気が違う」

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FC町田ゼルビア黒田剛監督

[2.19 J2第1節 町田 0-0 仙台 Gスタ]

 青森山田高を全国屈指の名門校に育て上げたFC町田ゼルビア黒田剛監督が、初めてJリーグのテクニカルエリアに立った。「こういう舞台に慣れていないわけではないので緊張することもなく、自然体で今日を迎えることができた」。この日のゲームプランは堅守を誇った高校サッカー時代と同様、無失点に終えること。その目論見どおり、同じく昇格候補のベガルタ仙台をしっかりと抑え込んで上々とも言える船出を迎えた。

 試合後、記者会見に出席した黒田監督は「今日はキャンプから落とし込んできた守備をしっかりとして、カウンターなどで点数を取る形をどれだけ出せるかと促してきた」と振り返りつつ、「仙台さんのクロス、背後についてくるプレーに対してはほぼ組織できていた。決定打は作られていないので守備をしっかりやってきた成果だと思う。流れの中で失点せず、勝ち点1を取れたことをポジティブに捉えて次の群馬との試合に臨みたい」とクリーンシートに手応えを語った。

 また無得点に終わった攻撃でもFWエリキ、FWミッチェル・デュークのシュートがクロスバーに弾かれ、MF高橋大悟やMF平河悠の決定機がわずかに枠を外れるなど、数多くのビッグチャンスを作った。指揮官は「決定的なチャンスが4本、5本とあった中、枠を捉えられなかったり、相手に当たってしまったりしたが、ここからやっていかないといけない課題は見えた」と前向きに受け止め、改善していく姿勢を示した。

 この日、町田GIONスタジアムに集まった観客は8055人。今季から観客の声出し応援が完全解禁された中、ホーム・アウェーのサポーターから大声援がピッチの選手に向けられていた。

 黒田監督は2020年1月の全国選手権決勝・静岡学園戦で高校サッカー史上最多5万6025人の観衆の前に立つなど、Jリーグではなかなか見られないほどの満員のスタジアムを経験済み。それでも「自分自身初めてだったので、実際どんなもんだろうなという思いがあった」という指揮官は、プロの雰囲気は違うと感じていたという。

「これまでは高校サッカーの監督を経験してきたので、埼スタ、国立の雰囲気とどれくらい違うのかと比較しようと思ってきたけど、選手権とは相当雰囲気が違う。埼スタ、国立も4万、5万と人が入るが、ファン・サポーターの思いや熱がヒシヒシと伝わってきて、これがプロの世界なんだなと改めて感じた」

 悲願のJ1初昇格に向け、次は初勝利を目指す指揮官。「勝つイコール守れることだと思っている。守るというテーマのゲームプランは大きくブレることなくやれた。ただ、4度、5度とチャンスがありながら点を取れなかった。これを日ごろのトレーニングの中で進めて1点、2点を取れるチームになること」。まずは開幕戦で見えた守備の成果を糧にしつつ、攻撃の課題と向き合っていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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