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「あまり本意ではありません」山形がクラモフスキー監督との契約解除を発表…後任は渡邉晋コーチ

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山形がピーター・クラモフスキー監督と契約解除

 モンテディオ山形は4日、ピーター・クラモフスキー監督(44)との契約を4月2日付で解除したと発表した。また、クリス・ブラッドリーコーチ(44)との契約解除も併せて報告。後任監督には、渡邉晋コーチ(49)が就任する。

 オーストラリア出身のクラモフスキー氏は横浜F・マリノスのヘッドコーチや清水エスパルスの監督を歴任し、2021年5月に山形の監督に就任。初指揮からリーグ戦12試合負けなしのクラブ記録を打ち立て、同シーズンは7位で終えた。2022年は6位でJ1参入プレーオフ進出を果たしたが、2回戦で敗退。就任3年目の今季はクラブ史上初の開幕2連勝で一時首位タイに立ったものの、2日のJ2第7節・水戸ホーリーホック戦(●0-1)で5連敗を喫し、18位にまで順位を下げていた。

 後任の渡邉氏は2014年4月から2019年までベガルタ仙台、2021年から2021年9月までレノファ山口FCの指揮官を歴任。昨季から山形のトップチームコーチを務めていた。

 相田健太郎代表取締役社長はクラブ公式サイトを通じ、「この度ピーター クラモフスキー監督との契約を解除することとなりました。シーズン中に監督を交代することについてはあまり本意ではありません。今回の決断はかなり難易度が高く、決して軽い判断でやっていることではないという事はこの場でお伝えさせていただきます」と説明している。

 続けて「クラモフスキー監督は本当に多くのものを山形に残してくれました。2021年のシーズン途中からチームがチャレンジしていることポジティブを受け止めていただき、今私たちのフットボールの基礎になることを残していただきました。また皆様の記憶にも新しいと思いますが、昨年のプレーオフ進出は私たちにとっても久しぶりの特別な瞬間でした。ここまで成長させていただいたことは心から感謝しております。ただ、現在のこの状況を打破していくためには非常につらい想いはありますが、クラブとしてさらに変化をしてゆくときではないかという事も考え、今回の決断に至りました」と述べた。

 また、新指揮官を担う渡邉氏については「渡邉晋コーチに新監督のお願いをいたしました。そして、この度お引き受けいただきました。渡邉コーチは昨年着任いただいてからクラモフスキー監督とともにチームを指導いただいております。私たちがやってきているフットボールと私たちが目指すところをご理解いただいている方です」としている。

 その上で「現状を打破するのはなかなか容易な事ではありません。また、その中で現在地を確認し、現実的なことをしっかり考えながら進まなければいけません。チームをしっかり支え、上昇できるような体制を共に作っていくために『覚悟』を持って取り組んでまいります」と表明。ファン・サポーターに対し、「今後とも引き続きモンテディオ山形への熱く、温かい応援、よろしくお願いします」と呼びかけた。

以下、クラブ発表プロフィール

●ピーター・クラモフスキー
(Peter Cklamovski)
■生年月日
1978年10月16日(44歳)
■出身地
オーストラリア
■資格
AFC Pro-Diploma
■指導歴
2009年~2010年:パース・グローリーFCフィジカルコーチ
2010年~2011年:オーストラリアU-17/U-20代表アシスタントコーチ
2011年~2012年:アデレード・ユナイテッドFCフィジカルコーチ
2012年~2014年:アデレード・ビクトリーFCアシスタントコーチ
2014年~2018年1月:オーストラリア代表 アシスタントコーチ
2017年6月~2018年1月:オーストラリアU-17代表 監督
2018年1月~2019年:横浜F・マリノストップチームヘッドコーチ
2020年1月~11月:清水エスパルストップチーム監督
2021年5月~:モンテディオ山形トップチーム監督
■コメント
『永遠に残る記憶と共にモンテディオ山形を去ります。選手やスタッフに別れを告げたとき、私がこのフットボールクラブに与えた影響に気づかされました。
私が就任したその日から、我々全員で築き上げてきたフットボールと、2021、2022シーズンの良い時も悪い時も、我々の戦い方を成長させてきたことを誇りに思っています。 昨シーズンの終盤、フィールドでは嬉し涙があふれ、スタジアムでは鳥肌が立った素晴らしい光景は、私の心に永遠に残るでしょう。
残念ながら、今シーズン、私が皆様と過ごせる時間は短くなってしまいましたが、全選手たちが勝者となり、さらなる成功を追い続ける為に成長している過程にあると思っています。
クラブ関係者の皆様、選手、スタッフ、そして我々たちを応援し続けてくれた全ての素晴らしいサポーターに心から感謝しています。最後に、監督として、クラブ史上最高勝率を達成したことを誇りに思います。』

●クリス・ブラッドリー
(Chirs Bradley)
■生年月日
1972年8月28日(50歳)
■出身地
オーストラリア
■資格
UEFA A-License
■指導歴
2001年~2003年:NSW Institute of Sportリードコーチ
2007年~2011年:AMISCO (now Prozone/STATS)ヘッドオブアナリスト
2010年:New Zealand A代表パフォーマンスコーチ&セットプレーコーチ
2012年~2016年:Aston Villa FC Academy ヘッドオブパフォーマンスアナリシス&コーチ
2013年~2017年:Australiaサッカー協会リードスカウト
2017年~2018年:Wolverhampton Wanderers FC(ユース年代)リードコーチ
2016年~2022年:University of Birminghamヘッドコーチ
2022年:Hibernian FCセットプレースペシャリスト
2023年1月~:モンテディオ山形トップチームコーチ
■コメント
『この素晴らしい環境で働く機会を与えてくれたクラブに感謝しています。 クラブの選手、スタッフは私を温かく迎え入れてくれました。 そしてファンの皆様は最高でした。クラブはここ数シーズン、フットボールの特別な基盤を築き、そして今シーズンのパフォーマンスは、さらなる成功へ向け築いているところでした。今シーズン、トロフィーを獲得し、昇格するという目標を達成するための基盤があると確信しています。クラブ関係者の皆様、今シーズン、そして今後のご活躍を心より祈っております。』

●渡邉晋
(わたなべ・すすむ)
■生年月日
1973年10月10日(49歳)
■出身地
東京都
■資格
日本サッカー協会S級コーチライセンス
■指導歴
2005年~2006年:ベガルタ仙台巡回コーチ
2007年:ベガルタ仙台アカデミーコーチ
2008年~2014年4月:ベガルタ仙台トップチームコーチ
2014年4月~2019年:ベガルタ仙台トップチーム監督
2021年~2021年9月:レノファ山口FCトップチーム監督
2022年1月~:モンテディオ山形トップチームコーチ
■コメント
『このたび、モンテディオ山形の監督に就任いたしました渡邉晋です。まず初めに、一コーチとしてクラモフスキー監督を支え切れなかったこと、このような結果になってしまったことに大きな責任を感じています。クラブからの要請に対する今回のこの決断は簡単なものではありませんでした。しかし、水戸戦後の選手の表情、叫びを思い出した時、「彼らと一緒にここから這い上がってみせる」という想いに優るものはありませんでした。
モンテディオ山形のために尽力いたします。残り35試合、これまで以上の熱いご声援をどうぞよろしくお願い致します。』

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