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J1デビュー浦和17歳早川隼平の躍動が止まらない…同点弾の起点、ラストプレーで見せた積極性と冷静さ

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MF早川隼平

[4.23 J1第9節 川崎F 1-1 浦和 等々力]

 J1デビュー戦で力強いプレーを見せた。浦和レッズユース所属で2種登録選手として浦和レッズの試合に出場する高校3年生MF早川隼平は、後半35分の出場でJ1リーグ初出場。直近のルヴァン杯では1ゴールを挙げる活躍を見せている17歳は、初のJ1リーグ戦でも同点ゴールの起点を作る活躍を残した。

「終わった後に選手からJリーグデビューだったねと言われて思い出した」。早川は初出場にもリラックスした表情で試合を振り返る。ルヴァン杯では2試合に出場し、4日前の第4節・湘南ベルマーレ戦ではトップチーム初ゴールも記録。前日に今節のベンチ入りを告げられたというが「何か残せればいいなと思いましたけど、それ以上にチームの勝利に貢献できればいいなと思っていました」と気負いはなかったという。

 残り時間10分で投入されると、ファーストプレーで結果を出す。左サイドでボールを収め、相手選手と交錯しながらも強引に突破。「ファーストプレーで前を向くことができた」。左サイド前方にスルーパスを出し、DF荻原拓也のアシストからFWブライアン・リンセンの同点ゴールが生まれる。早川の果敢な突破が起点となった。

 このプレーがきっかけでスムーズに試合に入った早川は短い時間でも積極性を出し続ける。試合終了間際のラストプレーでは、右サイドでボールを収めると、味方とのワンツーパスを二度行い、敵陣に進入。冷静なボールタッチから最後は左足シュートを選択。惜しくも相手のブロックに遭い、ボールはラインを割り、そのまま試合終了となった。

 冷静さが光ったラストプレーだった。自らシュートを意識しつつ、選択肢を広げながらMF柴戸海やMF安居海渡とワンツーを行う。「もちろん自分が(シュート)というのもあります。誰かしらが点を取れればという思いでどんどん前に行ったら、ボールが来たという感じ」。ゴールへの射程距離を詰めると、自らのシュートを選択した。決め切れなかったところには課題を見出す。「相手に当てないように、外してからのテンポの速さとか、外してパスがあったのかとか。そういうのも試合を見直してこれから改善していけたら」と分析した。

 2種登録の17歳という肩書きに意識はない。「勝たないといけない試合ですし、契約しているしていないとか、そういうのは関係ない」。トップチームのいち選手として、仲間とともに勝利を目指したJ1デビュー戦となった。

 国内での試合を終え、浦和はアルヒラル(サウジアラビア)とのACL決勝2連戦へ。早川も「人生で一度あるかないか」と眼を光らせる。「選手としてやるからには、目指したいとずっと思ってきた。出られるなら、本当にがんばっていきたい」。勢いに乗った若武者が、アジア制覇への最後のピースとなるかもしれない。

(取材・文 石川祐介)
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