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アジア制覇の光景に浦和MF岩尾憲「ウイニングイレブンでは何回もタイトル取っているんですけど…」

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浦和レッズのMF岩尾憲

[5.6 ACL決勝第2戦 浦和 1-0 アルヒラル 埼玉]

 プロになってからの13年間のキャリアの大半をJ2リーグで過ごしてきた男が、35歳にして初めてアジアの頂点に立った。浦和レッズのMF岩尾憲は第1戦に続いてダブルボランチの一角として先発出場。後半4分、相手のオウンゴールを誘発したFKを含め、セットプレーのキッカーを任されたほか、中盤で巧みにボールを散らしながら攻撃を組み立てた。

 前半はアルヒラルにサイドから多くのチャンスをつくられて押し込まれる時間が多かったが、ハーフタイムにしっかりと修正。90分間を通して全員が同じ意図でプレーできたのは、岩尾の存在が大きかった。

「悔いなくプレーしようと思っていた。ゼロで抑えて点を取って勝つことしか考えてなかった。ゼロゼロのままセーフティーにプレーしていくというよりは、自分たちが勝つ確率を上げるためにプレーするということに集中していた。危ないシーンも作られたけど、足を止めずになんとか体を張って、それがチャンピオンにつながって嬉しい」

 いつも通り落ち着いた口調でゲームを振り返った岩尾だったが、サポーターの声やビジュアルパフォーマンスについて聞かれると一転し、「ウイニングイレブンでしか見たことがない」と興奮気味に言った。

「ウイニングイレブンでは何回もタイトル取っているんですけど、本当に自分がそこに立っていてあの中にいた。自分のため、クラブのため、サポーターのために残さなきゃいけない結果へ向かってこの1週間、戦い続けてきて、こういう結果で終われた。チームメイトの力やサポーターの声が自分たちを後押ししてくれた」

 昨年、徳島から浦和に期限付き移籍で加入し、今季は完全移籍でのプレー。数年前までは思いもよらなかったというアジア王者の座に就き、「完全にイメージを凌駕している」と歓喜を噛みしめた。

(取材・文 矢内由美子)
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