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GKブローダーセンが後半に横浜FCサポの前でゴールを守りたかったワケ

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被シュート21本も無失点で90分を終えた横浜FC

[5.13 J1第13節 柏 0-1 横浜FC 三協F柏]

 90分を通じて、21本のシュートに見舞われた横浜FC。とりわけ、前半は押し込まれる時間が長く続き、13本をシュートを許した中で、GKスベンド・ブローダーセンを中心に無失点で試合を推移させていた。

 柏のエースストライカーのFW細谷真大には、ペナルティーエリア内で2度決定的なシュートを打たれたが、GKブローダーセンが好セーブでこれをしのぐ。MFマテウス・サヴィオには、ゴールマウスから飛び出した際にシュートを狙われるも、DFンドカ・ボニフェイスがカバーに入ってクリアするなど、「ギリギリのところでゼロでしのげた」(四方田修平監督)前半だった。

 後半も、サヴィオのシュートがサイドネットをゆらしたり、ゴールポストに当たるなど、ツキに救われた側面もあったが、「選手たちの素晴らしいプレーとがんばりに本当に感謝しています」と指揮官は選手の献身性を評価。横浜FCは最後まで運動量が落ちず、Jリーグ公式HPのチーム総走行距離を比較すると、柏の109.751kmに対して、横浜FCは115.414kmと大きく上回っていた。

 無失点に貢献したブローダーセンが「(今季初勝利を飾った)新潟戦も価値ある試合だったんですけど、今日はハードワークが自分たちに功を奏して、勝ち点3につながった」と勝因を語れば、PKで決勝点をとったFW小川航基も、「守備の選手、攻撃の選手が、みんなハードワークしていた」と柏戦の出来を振り返った。

 キックオフを迎えるにあたって、横浜FCのキャプテン、DF岩武克弥はコートの入れ替えを選択っした。GKブローダーセンにとっては、前半は柏サポーターを背に、後半は横浜FCサポーターを背に、ゴールマウスを守る格好となったが、そこにはある狙いがあったという。

「相手が勢いを持って点を取らなきゃいけない状況になるかもしれない。そんな中で(柏の)サポーターの前で守るのは声も聞こえなくなるし、自分たちのオーガナイズもできなくなる」

 柏がサポーターに向かって攻めれば勢いづいてしまう。それは裏を返せば、横浜FCにとって守りにくくなるということになる。果たして試合は、ラスト20分はビハインドを負う柏が1点を取りにいく、というGKブローダーセンの読みどおりの展開に。「(後半に)勝ちの状況になったときに、自分たちのサポーターの前で守備ができる」(ブローダーセン)というプラス面も、勝利を後押しした。

 決勝点となった小川のPKは、左に蹴ることをGKに予想されていると踏んで、右のコースを選択し、それが奏功した。想定外の猛攻にさらされながらも、狙いが次々とハマっていった横浜FCが、敵地から勝ち点3を持ち帰った。

(取材・文 奥山典幸)
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