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カタールW杯出番ゼロからの奮起…ドイツ移籍決めたFW町野修斗「置いていかれると思った」 

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湘南ベルマーレFW町野修斗

[7.2 J1第19節 横浜FM 4-1 湘南 日産ス]

 カタールW杯の日本代表メンバーで、ドイツ2部のホルシュタイン・キールへの移籍が決まったFW町野修斗が2日、湘南ベルマーレでのラストマッチを終え、報道陣の取材に応じた。移籍を決断した背景には昨年9月以降、日本代表の一員としてトップレベルの舞台に挑み、悔しさを味わった経験があったことを明かした。

 町野はこの日行われたJ1第19節・横浜FM戦の試合後、シーズン途中の移籍を決断した経緯を語った。

「W杯に行ってからも、W杯前のアメリカ戦もそうだったけど、世界と戦っていく中では僕もヨーロッパで常に激しくボールに来たり、インテンシティの高い中でプレーしていかないと置いていかれると思った」

 町野は昨年夏のEAFF E-1選手権に国内組の一員として出場し、合計3ゴールの大活躍を披露。海外組中心で臨んだ昨年9月のドイツ遠征にも招集され、キリンチャレンジカップのアメリカ戦で後半45分間の出場機会を掴んだ。その試合では結果を出すことができず、W杯メンバーから一度は落選したが、DF中山雄太の負傷辞退によって追加選出。それでも、W杯での出場機会は巡ってこなかった。

 そうした経験を通じて育んできた成長への意欲。町野は「Jリーグ(のレベル)が低いわけじゃないけど、違う世界がある」と新たな舞台を見据え、カタールW杯後から移籍先を模索していたという。

「去年の冬にも行きたかったけど条件面で行けず、この夏に向けて、結果を出しながらプレーのクオリティーを上げていかないとオファーが来ないと思っていた」。覚悟を持って臨んだ今季は、昨季の年間13点を上回るペースでゴールを量産。ここまで9得点を挙げた結果、ドイツ2部からのオファーが届いた。

 町野は移籍先のホルシュタイン・キールからの感触について「かなり期待して取ってくれたので期待に応えたい」と語る。ドイツ2部のイメージは「インスタグラムを見てもフィジカルでゴツい選手がチームメートにいたし、そこは求められると思う」。当面のテーマとしては「相手がかなりタイトにボールに来たりという中で、背負う部分などで成長するために行くつもり。そういった面を成長させながらも、監督にはストライカーなのでゴールを求められているので、まずは選手から信頼を得られるようにしたい。そうしないとパスが出てこないと思うので、町野に出せば決めてくれるというイメージを持ってもらえるように練習からやっていきたい」と意気込む。

 生活面の中心となる語学では「英語は半年前からやっていたけど、全然成長しないので、ノリと勢いで行きたい。ドイツ語は2〜3回。パッションがあれば行けると思っている」と発展途上。それでもピッチ上では「向こうに行けば助っ人になるわけなので、(チームの不調から)切り替えて自分の持ち味を出していくしかない」と覚悟を持って臨む構えだ。

 まず目指すは6月シリーズで落選した日本代表への復帰。「海外の屈強なディフェンダーに対しても通用するようなレベルに行きたいし、目標はまた日本代表に戻って、代表のストライカーになることなので、それに必要な部分が何かを常に考えながら成長したい」。そして3年後の北中米W杯だ。「一番の目標はそこなので。それまでの活動も中心でやれるようにしたいし、まずはメンバーに入ってチームの目標、まずは越えたことのない壁を自分のゴールで越えさせような選手になりたい」。目の前で越えられなかった“ベスト8の壁”を破るべく、町野修斗が新たなステージに挑む。

(取材・文 竹内達也)
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