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J1デビュー後3戦連続途中起用も…FC東京19歳FW野澤零温「自分の色を出すところがまだ足りない」

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試合後、FWディエゴ・オリヴェイラに労われるFW野澤零温

[7.8 J1第20節 浦和 0-0 FC東京 埼玉]

 0-0で迎えた後半31分、FC東京のピーター・クラモフスキー監督は就任後の直近2試合と同様に19歳のFW野澤零温をウイング起用したが、結果には結び付かなかった。試合後、野澤は「自分の特徴を出せず、チームに迷惑をかけて申し訳ないという気持ちでいっぱい」と唇をかんだ。

 FC東京U-18からトップチーム昇格2年目で、昨季はSC相模原での武者修行も経験してきた野澤は6月24日、前々節の名古屋戦(○2-0)でJ1リーグデビュー。前節の柏戦(○1-0)でも引き続き起用され、新指揮官のもとでチャンスを与えられている。最も得意とするポジションは最前線だが、与えられたポジションはウイング。名古屋戦と柏戦では右サイド、浦和戦では左サイドで起用されるも、現状では本領発揮には至っていない。

 とはいえ、ようやく巡ってきたトップチームでの出場機会。野澤は「欲を言えば一番前、頂点をやりたいけど、チームとして自分がやるべきこと、いま置かれている立場で言えることではない。与えられた場所で与えられたことをしっかりやらないとポジションどうこう以前に試合に出られなくなったり、メンバーに絡めなくなってしまう」と危機感をあらわにし、異なるポジションでも「監督、スタッフ、仲間たちから託された仕事をしっかりこなさないといけないと割り切れている」と前向きな姿勢を強調する。

 クラモフスキー監督は就任後、左ウイングには野澤の一学年下のMF俵積田晃太を一貫して先発起用し続けており、右ウイングはFW仲川輝人がファーストチョイス。突破力のあるタイプを好んでいるとみられる。だが、柏戦から仲川が負傷離脱した後、技術の高いFW渡邊凌磨をトップ下から右ウイングにスライド起用しており、純粋なウインガータイプに固執しているわけでもなさそうだ。

 そこにまずはサブから割って入りたい野澤。「凌磨くんみたいに技術がある選手でもないし、かといってタワラみたいに生粋のドリブラーでもない」と自身の個性を見つめ、「自分はずっとFWをやってきたので、FWで培ってきた動き出しで背後を取ったり、ゴール前にどんどん入っていってこぼれ球を取ったりしていくプレースタイルの選手。もっともっとがむしゃらに、自分なりに考えながらやり続けないといけない」と生きる道を模索しようとしている。

 ポジションへのこだわりからは解き放たれ、新たな持ち場で前向きなチャレンジに臨もうとしている。それでも「ただそれ(割り切る)だけじゃこれから先、長い時間出られないし、今日みたいに結果を残せない」と野澤。そろそろ己の武器を発揮すべき時。「自分の我を出すというか、色を出すところがまだ足りない。そこをもうちょっとやっていきたい」と決意を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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