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カウンター牽引、1対1では華麗ターンの見せ場も…PK失敗の川崎F家長昭博「多く蹴ってきた分、難しさも感じている」

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MF家長昭博

[7.15 J1第21節 横浜FM 0-1 川崎F 日産ス]

 MF家長昭博はまさかのPK失敗。しかしそれでもチームは巻き返し、後半アディショナルタイムにDF車屋紳太郎のゴールで勝利を収めた。「僕はPKを外してしまったので、より(試合展開が)わからなかった。決められそうな雰囲気もあったし、それは観ている皆さんと一緒の感じだった」。静かに試合を振り返った。

 14回のスプリントの中で何度もカウンターを仕掛けた。サイドバックが上がる横浜F・マリノスのサイドを突き、ボールを奪ったらすばやくカウンター。家長は右サイドから相手の裏を狙い、果敢に走り続けた。前半15分、22分と鋭い突破からクロスを上げ、決定機を演出。「カウンターではチャンスを作れたと思う。狙いは出せた」と手応えも口にした。

 後半には持ち味を発揮する場面もあった。後半12分、DF永戸勝也と右サイドで1対1に。永戸に激しくプレスをかけられてライン際に押し込まれた。しかし右腕でがっちりガードすると、家長は反転しながら永戸を置き去りにする。PA右からの折り返しは味方のゴールにつながらなかったが、フル出場で走り続けた。

 だが、最大の決定機を外してしまった。後半27分、FW遠野大弥が獲得したPKのキッカーを、家長が務めた。だが左足シュートはGK一森純のセーブに遭う。敵地・日産スタジアムの横浜FMサポーターは大いに盛り上がり、一気に流れを与えてしまった。「多くの本数を蹴ってきた分、最近難しい部分も感じています。その中でも打破していかないといけない。壁を感じていますし、そういった意味での駆け引きがある。でも、自分の力を信じてやりました」。すばやく気持ちを切り替えて残り時間も疾走。価値ある勝利をピッチで見届けた。

「しっかりボールを動かす時間はそれほどなかった。年間を通して上に行くにはそういうことが必要。マリノスさんは90分を通して自分たちの時間を確保していた印象がある」。目の前の勝利にも冷静さは失わず、内容を振り返る。見据えるは勝ち点12差の首位だ。「勝ち点の現状はそれほど変わっていない。マリノスが一番にいて次に神戸。かなり離されている。今日勝つことも大事ですけど、来週勝つことはもっと大事」。一喜一憂せず、淡々と気持ちを切り替えていた。

(取材・文 石川祐介)


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