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完全復活を証明するシーズンダブル決勝弾! 新潟FW太田修介が途中出場から右足一閃「ゴールを見ずに感覚で」

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ゴール裏に向かうFW太田修介

[9.29 J1第29節 川崎F 2-3 新潟 等々力]

 怪我からの復活を証明するゴールで、アルビレックス新潟を今季初の連勝に導いた。FW太田修介は2-2で迎えた後半35分に勝ち越しゴール。直後にはゴール裏のサポーターとともに喜びを爆発させる。「いままで点を取った試合でサポーターのもとに行けていなかった。取ったらやりたいなとずっと思っていた。行けてよかった」とその思いを明かした。

 開幕から6試合までで4ゴールを奪っていた太田だが、今夏に大怪我を負う。8月5日のJ1第22節・名古屋グランパス戦の負傷で、診断の結果は右膝内側側副靭帯損傷。「本当に苦しいリハビリでした。メンタル的にも落ちる日もありました」。スタッフや家族、チームメイトの支えもあり、前節・横浜FC戦で途中出場で復帰を果たす。そして、今節を迎えた。

 今節もベンチスタートとなった太田は、2-1と新潟がリードした状態で後半28分から出場した。それでも松橋力蔵監督が太田に要求したことは攻撃だ。「守備の時間が長くなるかもしれないけど、ひと刺ししてくれと話がありました」。太田の投入から3分後にはPKを決められてしまい、2-2の同点となる。太田は「自分が決めるって気持ちは強かったです」と目を光らせた。

 そして迎えた後半35分、中盤のMF星雄次が左サイドに展開し、太田が反応する。猛ダッシュから鋭いカットインで相手選手をかわすと、右足を一閃。「マイナス気味に切り返したので、相手のカバーも取れないと思った。シュートはゴールを見ずに感覚で打ちました。打った後は入ったなと」。体勢を崩しながらもゴールを確信し、すぐさま体を起こしてゴール裏のサポーターのもとへ駆け抜けていった。

 最後に得点を挙げたのは4月1日の第6節・名古屋戦で、約半年ぶりのゴールとなった。太田は「メンタル的にはすごくホッとしている」と安堵の表情。今季5点目で現状のチーム最多得点者となったが、「涼太郎が7点取っているので、まだまだ足りない」と序盤をけん引し、シントトロイデンに移籍した伊藤涼太郎の名前を挙げる。「まだまだ足りない。もちろん超えたい。狙っていきます」と力を込めた。

 川崎F相手にリーグ戦で連勝を果たし、チームは熟成具合を高めている。太田も「本当にいいチーム」と笑顔。試合後にはロッカールームで大盛り上がり。爆音の音楽が記者会見室にも届いていたが、「僕は踊らないですけど(笑)」と真相を明かす。

「あの千葉和彦さんを筆頭に、過剰なくらい喜んでくれた。舞行龍(ジェームズ)くんと阿部(航斗)ちゃんと千葉さんがずっと踊っていた。主役は誰だろうって…(笑)。本当に過剰なくらいやってくれて嬉しかったです」。

 リーグ戦は一時中断し、再開は約一か月後。新潟は勢いに乗ったままシーズン終盤を迎える。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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