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酒井高徳とのコンビで横浜FMの“左”封じた神戸MF飯野七聖「この大一番で監督が僕を信頼してくれた」

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MF飯野七聖とDF酒井高徳

[9.29 J1第29節 横浜FM 0-2 神戸 日産ス]

 J1リーグ制覇を争う天王山で今季3試合目の先発出場。大役を任されたヴィッセル神戸MF飯野七聖が本職の右サイドバックではなく右ウイングのポジションで躍動し、価値ある白星を手繰り寄せた。

 先発起用は8月6日の横浜FC戦(●0-2)以来1か月半ぶり。「まずは守備の強度を保ち続けることを意識して試合に入った。あとは僕の特徴でもある縦に仕掛けてのクロスとか、得意な部分を出していけたらと思っていた」。横浜FMの武器であるFWエウベル、DF永戸勝也の左サイドコンビを封じるべく、ピッチに立った。

 横浜FM戦の右ウイング先発は昨年夏のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16でも経験。この日も1年前と同様、守備でハードワークするだけでなく、永戸を大きく押し込む働きを果たした。特にDF酒井高徳との縦関係では、共通意識を持っていたというファーサイドへのクロスが次々に炸裂。これが数多くのセットプレーにつながり、前半の2ゴールを導いた。

 酒井は飯野との縦関係に「彼もSBの気持ちはわかると思うので、そういう二人だけじゃなくSBとしての彼の感覚もあると思う。コミュニケーションを取らなくてもいいところがあって、楽なところもあった」と手応え。「攻撃では思う存分彼のスピードを活かしてあげようと思っていたし、出ていく力を余らせてあげることが僕の仕事だと思っていた。なるべく下げさせないように意識した。前半から推進力を出してくれたし、相手にとっても面倒くさかったのかなと思う」と奮闘を称えた。

 久々の先発出場で大きなアピールとなる勝ち点3獲得。飯野は「久々のスタメンで、この大一番で監督が僕を信頼して起用してくれたこと、昨年に大怪我をして、今年の最初にも怪我をして、あまり納得のいくシーズンを過ごせていなかった中でも多くのサポーターが僕の復活を信じてくれた」と感謝を口にしつつ、支えてくれた家族への思いを明かした。

「子どもが2月に生まれて育児が大変な中でも妻が食事のサポートとか、朝食も夕飯も毎日栄養面を考えてサポートしてくれていた。僕があまり試合に出られなかったり、怪我をしてしまったりして、(妻も)辛いと思うけど、それを見せずにいつも明るくいてくれたのが支えになっている。今日も急遽神戸から来てくれて、そういうのも嬉しかったですね」。愛する家族にも勝利をプレゼントした。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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