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[MOM4024]北海道GK竹内琉真(札幌U-18、1年)_“本番タイプ”の初先発GKが後半、PK戦でビッグセーブ

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PK戦7人目、北海道GK竹内琉真(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)が止めて決着。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国体少年男子準々決勝 新潟県 2-2(PK5-6)北海道 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

「アイツは本番タイプなんですよ。本番とPK戦の強さはピカイチなんですよ」。北海道の森川拓巳監督(北海道コンサドーレ札幌U-18)はそう評し、本人も「練習あんま、そこまで。本番で力が出ますね」と微笑む。今大会初先発の186cmGK竹内琉真(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年=北海道コンサドーレ釧路U-15出身)が後半とPK戦でビッグセーブ。北海道にとって27年ぶりとなる準決勝進出に貢献した。

 竹内は今大会、1回戦で10分間プレー。0-0のまま後半アディショナルタイムに突入した2回戦では、“PK戦要員”として投入準備が終わっていた。だが、北海道は後半35+2分に決勝点。ゴールと勝利を喜ぶ一方、竹内は出番を失う形となった。

 コーチ陣は続く準々決勝でその竹内を先発起用することを決断。当日朝に先発を告げられた竹内は、守りを崩される形で2点を奪われたほか、ミスでピンチを招くシーンもあった。

 だが、同点に追いついた直後の後半27分、至近距離から放たれたシュートを驚異的なセーブ。右クロスからファーの選手がフリーになっていたが、「あれは最高のセーブですよ」(森川監督)というプレーでチームを救った。

「クロス来るかなと思ってちょっと(立ち位置を)ズラして、ニア空いちゃったんですけれども、しっかりと反応できて、その後の処理までちゃんとできていたので良かったです」と竹内。そのGKはPK戦でヒーローになった。

 4人目を終えて北海道は4-3とリード。5人目が止められたが、竹内が相手の7人目を止め返す。「昨日の試合ももう一人のGK(茂木克行)のお陰で勝てたと思うので、そのGKの思いとか、その前に外してしまった味方の選手の分まで自分が止めて勝たせてあげようと思っていました」。

 北海道5人目のキッカーは、チームの主軸MF安達朔(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)。前日の試合で存在感のあるプレーを見せながらも負傷し、この試合は大事を取って交代出場していた。それでも、重圧の掛かる役割を直訴。竹内はライバルでもあるGK茂木克行(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)、地元が同じ釧路市で小中高一緒にプレーしてきた旧友・安達のことも思ってPK戦を戦い、激闘に決着をつけた。

 北海道コンサドーレ札幌U-18でもポジションを争う茂木とは、普段から互いの得意な部分を教え合いながら切磋琢磨。シュートストップや逆足の左足キックを得意とする竹内はその特長を伸ばす一方、茂木からのアドバイスを受けて課題改善に取り組んできた。協力しながら2人で成長してきたGK陣は、青森県との準決勝でも目の前の相手に勝つことに集中。ゴールを守ってチームテーマの「撃破する」に再び貢献する。

小中高チームメートのGK竹内琉真とMF安達朔(8番)が勝利を喜ぶ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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