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[MOM4299]海星DF岡崎颯大(3年)_187cmのサイズ活かした攻守で活躍。三重決勝は師匠でもある父との“親子対決”に

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海星高DF岡崎颯大(3年=菰野中出身)は決勝点など攻守で活躍。三重決勝進出に貢献した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.26 インターハイ三重県予選準決勝 海星高 2-1 津工高 四日市市中央陸上競技場]

 187cmの身長はピッチ内でもひと際目を惹く。高身長を活かした競り合いの強さで守備に安定感をもたらすだけでなく、準々決勝の四日市南高戦に続いてCKからゴールネットを揺らして、チームを勝利へと導いた。「アイツと相原一太(3年)のセンターバックコンビはやれると思っている」と青栁隆監督が信頼を寄せるのが、海星高DF岡崎颯大(3年=菰野中出身)だ。

 Bチームでは昨年から存在感を発揮していたが、Aチームのスタメンに定着したのは今年の新人戦から。「自分はまだ全国に出たことがないので、決勝へと行くためにまず、今日はしっかり戦おうと思っていました」。そう意気込んだように、ようやく巡ってきた主役となるチャンスに燃えないわけがない。

 マッチアップした津工高のFW山本伊織(3年)も183cmの大型で「威圧感があって、かなり厳しい試合だった」が、「自分もヘディングは得意なので高さでは負けたくなかった。ちょっと距離を置いて、自分のペースでボールに対して行けるようにしていました」とストロングポイントを押し出し、無失点で試合を進めていく。

 1-0で迎えた前半31分には攻撃でも見せ場が訪れる。右サイドでのリスタートは相手に弾かれたが、相原が自陣で拾って素早くゴール前へ。攻め残っていた岡崎が競り合い、ゴール前にこぼれたボールを自らが押し込み、リードを2点差に広げた。

 相手の勢いに飲まれた後半は「最後を守れば失点はない。最後をしっかり抑えようと意識していました」とゴール前で粘り強い守備を続けてきたが、後半24分には一瞬の隙を突かれて、失点。「2点獲ってそのまま終われたら良かったのですが、最後に守備陣が失点したのが反省点」と岡崎は悔んだが、攻守両面で輝きを見せた岡崎への評価が下がることはない。

 入学時に182cmだった身長は、187cmまで伸びて競り合いの強さに磨きがかかっている。加えて、筋トレや体幹に励むだけでなく、白ご飯を必ず2杯は食べるなど食事量にも気を付けた結果、体重が7kg近く増え対人にも強くなった。苦手としてきたビルドアップにも改善の後が見られる。

 CBとしての完成度は高まっている岡崎が、決勝で当たるのは「憧れの存在」として挙げる父・充彦さんが外部コーチを務める四日市中央工だ。充彦さんは四中工出身のCBで、高校2年時には選手権でベスト4も経験。引退後は菰野中で外部コーチを務め、我が子の指導をしてきたが、現在は母校で後進の育成に励んでいる。

 岡崎が公式戦で四中工と対戦するのは初めて。「同じCBなのでヘディングなど色んな物を教わった」師匠でもある父親との対戦はずっと心待ちにしてきた。「楽しみですし、やってやるという気持ちが強い」と意気込む通り、勝って成長した姿を見せつける。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2023

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