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[MOM4370]富山一FW加藤隼也(3年)_「主役」への第一歩。最終登録でメンバー入りのストライカー、全国初戦で決勝点

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前半8分、富山一高FW加藤隼也(3年=カターレ富山U-15出身)が右足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.29 インハイ1回戦 高松北高 0-1 富山一高 忠和公園多目的広場A]

 大会直前の登録変更でメンバー入りしたストライカーが、決勝ゴールだ。富山一高(富山)FW加藤隼也(3年=カターレ富山U-15出身)は前半8分、ドリブルで仕掛けたMF平田一葵(3年)をサポート。こぼれ球に反応すると、「(DFに)引っ掛からないように低く強くシュートを打ちました」と右足を振り抜く。これが値千金の決勝点となった。

「立ち上がりに点を取ることでチームも乗れるかなと思っていました。(その得点を)自分が取ろうと」。加藤は前線で守備面含めて奮闘した。後半、クロスからの決定機など追加点を決められなかったことは反省点。「もっと決めたいです。きょうの試合、3点取りたかった。先輩に負けられないです」。本人は18年大会初戦でハットトリックを達成し、得点王に輝いた先輩FW小森飛絢(現千葉)を意識していただけに1得点を悔しがっていた。

 だが、今年、ほとんどAチームでプレーしていなかったFWが、「主役」への第一歩を刻んだ。加藤は今季、Aチームのプリンスリーグ北信越1部開幕から3試合連続で交代出場。だが、第4節以降は2ndチームのプリンスリーグ北信越2部が主戦場となった。

 そこでのゴールは1つだけ。だが、加納靖典監督が「守備させるためにプリンス2部で鍛えて、直前の星稜(2nd)戦とか凄く良くなった」と評する加藤は、ボールを収める力も期待されてAチームに引き上げられ、練習試合でも結果を残して見せる。インターハイの一次登録からは漏れていたものの、最終登録で逆転のメンバー入り。このまま活躍を続けて前線の柱になる意気込みだ。

「今年のFWってあまり『主役』って人がいないと思うので、この大会で『主役』になって点を決めたいと思います」。この日のゴールがAチームでの公式戦初ゴール。2回戦で対戦する日大藤沢高(神奈川)は強敵だが、這い上がってきたストライカーは「良い波に乗っていけるように、また先制点を自分が取って勝ちたい」。連発してチームを勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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