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「流れを変えたいと思ってキャプテンに」。人一倍走り、声を掛け続けた富山一MF多賀滉人が入学後初の1勝を喜ぶ

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声とハードワークでチームを引っ張った富山一高MF多賀滉人主将(3年=カターレ富山U-15出身)

[7.29 インハイ1回戦 高松北高 0-1 富山一高 忠和公園多目的広場A]

 一際存在感のある動きで、「待望の」全国1勝を勝ち取った。富山一高(富山)のMF多賀滉人主将(3年=カターレ富山U-15出身)は、昨年度の夏冬全国経験者。いずれも初戦敗退を喫していた。

 富山一は13年度選手権日本一、19年インターハイ準優勝などの歴史を持つ伝統校だが、20年度の選手権8強を最後に全国大会での勝ち星無し。主将はその悪い流れを断ち切り、1勝したことを素直に喜んでいた。

「流れを変えたいと思ってキャプテンになったので、小さい目標ですけれども、最後勝てて嬉しかったです」

 主将はその1勝に大きく貢献した。「両方硬くなって、蹴り合いになって、間延びして。8番のMF松井凛空(3年)と2ボランチ組んでいるんですけれども、『オレらが拾わないと勝てないな』と。間延びしているので プレスバックと前に係ることは意識して走りました」。中盤でセカンドボールの回収を連発し、さらにゴールを目指して前へ。気温30.7度の暑さの中、自分の役割を最後まで貫徹した。

 苦しい展開だったが、1-0で勝利。主将は「走るのが自分のウリなので、最後までハードワークして、声を掛け続けて、勝利に導くことはキャプテンとして自分の仕事かなと思っているので、きょう最後まで集中力を切らさずにできたので良かったです」と微笑んだ。

「ここからは自分は経験したことがない」という戦いだ。「(昨年は)インターハイも、選手権も、1回戦で負けて悔しい思いをしていたので、やっと一個勝って次に行ける。楽しみです。100%以上の力を出さないと勝てないと思う。良い準備をしてもう一回明日に臨めるようにしたい」。日大藤沢高(神奈川2)との2回戦へ向けて最高の準備をすること。そして、再び主将の役割を貫徹し、2勝目を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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