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3回戦で敗れるも、自力も示した帝京大可児。課題改善し、選手権でベスト8進出に再挑戦

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帝京大可児高は3回戦敗退も、2年生ボランチMF鶴見一馬らが力を示した

[7.31 インハイ3回戦 帝京大可児高 1-3 桐光学園高 東光スポーツ公園球技場A]

 10年ぶりのベスト8進出を目指した帝京大可児高(岐阜)は、3回戦で敗退。仲井正剛監督は「課題としている部分がそのまま出た」と残念がった。

 1、2回戦ではMF内藤和希(3年)とFW加藤隆成(2年)が2試合連続ゴール。だが、仲井監督は「勝てているけれど、シュート数に対するゴール数が足りていない」と分析していた。

 この日も「前進はしているけれど、最後のクオリティのところで点を決めれたチームと決めれないチームとの差が出た。前進しながら突破を図るということに関しては少しずつできてきて形にはなってきているけれど、ゴールにはまだ繋がっていない」と指摘。チームが大事にしてきた攻撃を丁寧に作ることに加え、ゴールへ向かう姿勢を強調してきたが、最後の精度は桐光学園高(神奈川1)戦でも課題となった。

 MF吉兼伶真主将(3年)とMF鶴見一馬(2年)のダブルボランチのクオリティは非常に高い。またアタッカー陣も、MF明石望来(2年)ら力のある選手が多数。だが、この日はサイド攻撃を封じられ、CKからCB内山晴登(3年)が頭で決めた1点のみに終わった。

 ボールを繋いで攻め、8本のシュート中には決定的なシーンも。カウンターで数的優位を作りながらも仕留められない場面もあっただけに、吉兼は「冷静さに欠けている。もっと練習して、強い相手だと少ない本数で勝ち切らないといけないので、それをもうちょい上げていきたいです」と改善することを誓っていた。

 また、プレミアリーグ勢や全国上位のチームに比べると、強度が不足。GK竹内耕平(3年)は「1個1個デュエルするところがああいう強いチームになってくると、一個一個隙がないというか、球際のところも凄く強く来たりとか、自分たちがいつもやっているよりも遥かに強い強度でやってきて、そういうフィジカルとか球際の部分では凄く差を感じました」と自分たちとの差を口にしていた。

 帝京大可児は今年、岐阜県1部リーグへ降格。その中で、強度については意識して取り組んできたものの、まだまだ差があった。ただし、指揮官は「体験できたことは次の選手権に向けて良かった」。失点を減らすために個の強さやグループでの守りを高めること、加えて自分たちらしくボールを失わないことで守備の回数を減らすことも目指していく。

 チームは選手権で全国ベスト8に再挑戦する。竹内は「自分、ずっとハイボールが課題だった。1回戦で結構それが出せて今大会自信に繋がったと思います。チームとしては選手権で今回果たせなかったベスト8を果たせるようにやっていきたい」と語り、吉兼も「夏も遠征いっぱいあって力をつけるチャンスがいっぱいあるので、力をつけて、最後は目標であるベスト8以上を目指したいです」。選手権の最高成績はベスト16。敗れた桐光学園戦でもポテンシャルの高さを感じさせていただけに、課題を改善し、冬はあと1勝を果たす。


(取材・文 吉田太郎)
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