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ツィエクの退場疑惑にファン混乱…VARから2度の情報でレッド→イエローの理由を現地記者が解説

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MFエメルソンへの行為で混乱

 チェルシーは26日にトッテナムとのロンドン・ダービーを行い、0-2で敗れた。この試合ではMFハキム・ツィエクの行為をめぐって混乱が生じた。

 事象が発生したのは前半アディショナルタイム。FWリシャルリソンがツィエクに後方からチャージされると、両者がヒートアップする。この際にMFエメルソンがツィエクに対して後ろから軽く体当たりすると、ツィエクは左手でエメルソンの顔付近を叩いてやり返す。主審は副審と話し合い、さらにはVARとコミュニケーションをした上でツィエクにレッドカードを提示。ツィエクは無念の表情でピッチから退こうとしたが、再びVARから情報を受けた主審が映像を確認した結果、イエローカードに変更となった。

 VARから情報を受けてレッドカードを出したのにもかかわらず主審が退場処分を取り消したことに、判定の経緯を疑問視する意見がネット上で見られていた。

 この判定について、レフェリング関連の情報に詳しい『ESPN』のデイル・ジョンソン記者はカードの色が変わった理由を分析。自身のツイッター(@DaleJohnsonESPN)でファンに説明している。

 デイル氏は主審と副審の話し合いについて「ダレン・カン副審がスチュアート・アトウェル主審に顔を押す行為があったことを伝えた」のだとしている。しかし、ピッチ上にいた全審判員がその行為をしたチェルシーの選手を特定できなかったと分析した。

 主審は退場とすべき選手がいることを認識しているが、対象選手が分からない状況。そのため、VARは退場とするのであれば当該行為を行った選手がツィエクであることを伝えたのだという。

 同記者は、退場の判断は「カン副審からの情報によるもの」であり、VARが行ったのは対象選手を伝えたことのみとしている。VARが主審に映像確認(オンフィールド・レビュー)を推奨できるのは、判定が“はっきりとした明白な間違い”に相当する場合だ。主審がレッドカードを出す意思がある状況でカード提示前に取り消すよう伝えることはできない。主審がレッドカードを示すことで“一発退場“という判定が確定。VARはその判定が誤っている可能性として、レッドカードが出された後にオンフィールド・レビューを推奨したという。

 デイル氏は「混乱した唯一の原因は、主審と副審が対象選手を把握できていなかったこと」とし、「把握できていればすぐにツィエクにレッドカードが示され、そのままレビューになっただろう」とコメント。「プロセスは正しく行われた」として審判員の判断は問題なかったことを伝えている。

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