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「新たな課題ができた」、連覇を決める試合前に香川が考えていたこと

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 ブンデスリーガは21日、第32節2日目を行い、MF香川真司の所属する首位ドルトムントはホームで4位ボルシアMGに2-0で快勝し、2年連続8度目の優勝を決めた。以下、試合後のコメント全文。

―今年の優勝の味は?
「もう最高。試合中に泣きそうになったくらい。自分のゴールで決めたのもあるけど、最高です。点を決めたかったので、ああいう喜びもしてくれて」

―クロップ監督がベンチから走ってきて抱きついた。
「見えていた。(直前で)滑ってましたね。オチをつくってたけど、そっちに目がいったんじゃないかな」

―いろいろ思うことがあった?
「いろいろとこみ上げてきたし、すべてはうまくいかなかったシーズン。その中で、仲間がいたからこそできたこと。チームメイトとファンのおかげ。僕一人じゃ成し遂げられなかった」

―ビールの味は?
「最高。強すぎるけどね。ほんと最高だね。言葉じゃ言えないけど」

―理想的な展開だった?
「前半、チャンスがあった中で決め切れなかったから。1点リードじゃ危ないと思っていたし、相手もチャンスがあって、2点目が大事だと思った中で。後半の最初もチャンスはいっぱいあったから、決められなかったらやばいと思っていたけど、結果を出せてうれしい」

―ハーフタイムを過ぎてクオリティーが上がった。
「余裕ができた。前半は余裕がなかったが、後半はすごく感じたし、相手もプレッシャーがなかった。相手もモチベーションが時期的にもちにくかった。僕らは優勝というモチベーションがあった」

―レワンドフスキのパスが来たときは?
「おれ、覚えてないの。あれはもうGKをかわしてタイミングをずらして打とうと思ったら、本当にうまくいった」

―かわして決めるのが好きな形?
「最後にこういうところでしっかり結果を残せたのがよかった」

―ロッカールームはうれしさが爆発している。
「ほんとに、ほんとうれしい。言葉ではなかなか言えない。本当にすごく良い仲間を持ったし、良いチームにめぐり会えて、良いスタジアムにめぐり会えて、2年連続の優勝。このシーズンはいろいろあった中で結果を残せたのは成長できたと思う」

―去年と比べると?
「去年は半年間ケガでいなかったが、今年は1年間充実していた」

―今季の前半戦については?
「なかなかうまくいかなかった。CLもなかなか結果が出なくて、チームのコンディションだったり、ケガ人が出たり、僕のコンディションだったり、うまくいかない中で辛抱強く後半戦にいくと信じてできた。サッカー人生で良い経験。生かしていかないと意味がないかな」

―ターニングポイントは?
「そういうのはない。後半戦は1試合1試合、みんなが全力を尽くして苦しいときも最大限の力を出してきましたし、後半戦すべてがチームとしてうまくいった。そのためにチームが努力してすばらしい結果を得た」

―「後半戦はいけそうだ」と前半戦から繰り返し言っていたが?
「前半戦のプレーがすべてじゃないと感じていたし、信じ続けてやり続けたことが後半戦につながったと思う。そういう意味では、簡単にうまくいかないシーズンもあるけど、やり続けて、信じ続けることが大事。精神的な強さを身につけられたかなと思う」

―信じられた理由は?
「強い自信を持っていた。プラス思考、前向きに考えるしかなかった。CLはすごい悔しい結果になったけど、リーグで上手く成長してきたことは来年につながる1年だったかなと思う」

―後半戦は自分もポジティブにできた?
「そうですね。結果が付いてきたから。前半は結果が付いてこないからメンタルが苦しい時期もあった。本当に苦しかった。そこを乗り切れたことが次につながる」

―後半戦、最後は苦しかったのでは?
「この3、4、5試合は苦しかった。精神的にもプレーもぎりぎりのところでやっていたから。でもこれを勝ち抜いた強さはチームとしてもあると思う。でももっと上を見たときに、レアルとバルサは毎試合こういう試合を続けていると思うと恐ろしい」

―奇しくも今、クラシコをやっているが?
「試合前、ずっと考えていたけど、彼らはCLもリーグも常にぎりぎりの戦いをしている。そういうのは想像がつかない。新たな課題ができたと思う」

―仲間にはこの2年で溶け込めた?
「すばらしいサポーターと仲間と監督と、自分は人脈に関してはいろんな人に支えられている。日本のサポーターもそうだが、苦しいときに応援してくれた。感謝の気持ちです」

―どんな1年だった?
「なかなか上手くいかなかったシーズン。でも濃かったなと思う。試合前から涙が出そうなくらい。もう1年たったのかなと振り返りながら、本当に感動的な瞬間でした」

―ゴールシーンをイメージしながら寝たのか?
「今日は寝ないでしょー」

―今日ではなく、昨日の試合前のこと。
「昨日はいつもどおりリラックスしながら、いつもどおりの気持ちでやんなきゃいけないし、そこで舞い上がっちゃうと自分的に成長につながらないから。うまくコントロールしながら、いつもどおり寝たつもりです」

―3時間前キックオフのバイエルンが試合終了間際に勝ち切った。
「勝ち切った強さは感じましたけど、別にバイエルンが勝とうが、僕はそれは関係ない。試合には集中して入った」

―バイエルン戦終了の瞬間、ピッチ上で感触を確かめていた。もしバイエルンが負けていれば、その場で喜んだのか?
「喜びはないと思う。試合前なので、プロとして1試合やるのが義務」

―この2年、積み上げてきた手応えは?
「2年連続優勝はめぐり会いだったり、奇跡に近い。このチームにめぐり会えてよかった。サポーターだったりすべてに感謝したい。ただやっぱりこれがすべてではない。まあ、頑張りたいと思います」

―2年前とは違い、今はスーパースター。
「素晴らしい環境でプレーできているのは間違いないし、入団したときよりここでのプレーは何も思うことはないし、もうここからはしっかり自分で決めたいと思います」

(取材・文 了戒美子)

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