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選手の振る舞いには苦言も…歴史的4位に夢を語ったモロッコ指揮官「いつかW杯で優勝する」

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ワリド・レグラギ監督

[12.17 カタールW杯3位決定戦 クロアチア 2-1 モロッコ ドーハ/ハリファ]

 カタールW杯3位決定戦の試合終盤、モロッコの選手たちは何度もレフェリーに詰め寄り、DFアクラフ・ハキミ(パリSG)を中心に執拗に抗議する姿が目立った。その怒りは試合後も収まらなかった模様で、レフェリーを取り囲んで不満を表明。表彰式ではサポーターからも審判団に大ブーイングが向けられ、スタジアム内はものものしい空気に包まれた。

 モロッコにとって後味の悪い終わり方となった3位決定戦。試合後、記者会見に出席したワリド・レグラギ監督は「試合に負けた時は失望するし、冷静さを失うものだ。われわれの選手たちは素晴らしい戦士たちだ」と選手たちの姿勢を擁護しつつも、選手たちの試合中の振る舞いを厳しく振り返った。

「レフェリーにはミスもあるもので、常にリスペクトしなければならない。何よりわれわれは自分たちの足りないところにフォーカスしなければならない。レフェリーの陰に隠れてはならないということを知る必要がある。それはモロッコのやり方ではない」

 主審への抗議で冷静さを失った選手たちに対し、指揮官が感じていたのは自チームの課題だった。「マッチオフィシャルのことは協会に対処してもらうとして、われわれは試合終盤にオーバーリアクションをしてしまうことが時にある。また特にこの試合では前半、われわれにとっての基準に達していなかった」とパフォーマンスへの不満を述べた。

 それでもレグラギ監督は、対戦相手のクロアチアに賞賛の言葉を送りつつ、今大会で残した結果には誇りを見せた。

「まずはクロアチアにおめでとうと言いたい。率直に言って彼らは非常に強いチームで、経験ある選手たちがいる。今夜に関してはわれわれと彼らには大きな差があった。彼らが試合を支配していて、われわれはひどいスタートだった。多くのミスがあり、足の疲れも見られた。後半は問題が改善され、チャンスも作ったがリードを守られた」

「ただ明日の朝起きた時、われわれが成し遂げてきたことを実感するだろう。3位になるためのステップは遠かった。100%でプレーできない選手も何人もいた。だが、私は彼らを称えたい。われわれの選手たちはみんな良くやってくれた。結果に失望することもあるが、最後まで全てを出し切った。そのことがわれわれのサッカーにとても前向きなイメージを与えてくれると思う」

「われわれはいつかW杯で優勝するという目標がある。準決勝から多くのことを学ぶことができた。他のアフリカのチームもわれわれのことを手本にしてくれるだろう。なぜなら素晴らしいことに、アフリカの人々は国を超えてフットボールを愛しているからだ。モロッコは世界のトップチームに肩を並べようとしていることを示せた。ヨーロッパとアフリカのチームの違いは、試合を決める本当に小さな差であることを見せることができた」

 アフリカ勢、アラブ世界で史上初めてW杯ベスト4に食い込んだモロッコ代表。就任から10試合で躍進に導いた自国出身監督は、誇り高く大会を去る。

(取材・文 竹内達也)
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