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前橋育英MF徳永涼は2つの目標を追求。“相棒”の存在も力に、責任感持って「目の前のことに全力で取り組む」

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前半、前橋育英高のU-18日本代表候補MF徳永涼主将が左足シュートを放つ

[7.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第12節 前橋育英高 1-1 柏U-18 前橋育英高G]

 前橋育英高はプレミアリーグ中断前の最終戦で引き分け。勝ち切ることこそできなかったものの、後半アディショナルタイムに膝の手術から復活してきたMF堀川直人(3年)が劇的な同点ゴールを決め、連敗を2で止めた。

 U-18日本代表候補MF徳永涼主将(3年=柏レイソルU-15出身)は、「後半なんかあれだけチャンスあって決めきれないのがダメなので、この2週間で個人の課題に向き合う時間が必要かなと思います」と語った一方、「ここで3連敗で終わるのか、分けで終わるのかは全然違うと思う。前向きに自分たちが取り組むべきことが分かったので半歩成長ですね」と前向きに捉えていた。

 今冬、U-17日本高校選抜で徳永は“ピッチの監督”と言われるほどのゲームコントロールと存在感。そのボランチは、プレミアリーグ開幕からの3か月間でまた評価を高め、U-18日本代表候補に初選出された。

 この日、柏U-18相手に鋭いアプローチでのインターセプトや的確な配球、PAへの飛び出し。特に後半は中盤でゲームを支配し続けていた。徳永自身も成長していることを実感。それは謙虚に取り組み続けたからこそできている成長だ。

「自分でも感じるくらい成長しているなというのはあって、その中でも代表に選ばれているからとか、周りからちょっと違う目で見られるからといって謙虚さを忘れてはこの成長は全然止まってしまうことは監督からも言われることだし、自分でも思っていることなので、変にプレッシャーを感じず自分の成長だけを見てということは意識しています」

 前橋育英の選手としてプレーするのは残り半年。徳永は自身の成長、そしてチームを勝たせるリーダーになることを追求する考えだ。「(ミーティングなどを行う一方、)その中で個人の自主練だったり、チームのみんなに行動で示したり、自分がプレーで周りを引っ張っていけるような選手にならないといけないというのは感じていて、個人の成長のところとチームを勝たせるリーダーになることが目標ですね」。重視ししているのは目の前のことに全力で取り組む姿勢だ。

 0-2で敗れた横浜FMユース戦は、徳永がチームメートに強く言い過ぎた部分も。「まずは目の前のことに全力で取り組むということが大事。先週(チームメートと)ぶつかったけれど、乗り越えて一致団結して練習できた。コミュニケーションを取ることを面倒くさがらずにやっていきたい」。時にぶつかることもあるというが、ブレずにコミュニケーションを取り続けること。チームメートの意見に聞く耳を持って、自分も変えながらより良い方向へ向かおうとしている。

 その徳永にとって、頼もしい存在が戻ってきた。昨年、ダブルボランチのコンビを組んでいたMF根津元輝(3年)が怪我での長期離脱から復帰。根津は日本高校選抜に選出された実力者であり、山田耕介監督が「アイツがいるとチームリーダーになるし、チームの雰囲気も全然変わるので。(復帰してくれば)ベンチワークも変わる。いると全然違います。(徳永と根津の2人がいると)監督なんていらないです」というほど信頼を寄せる存在だ。

 徳永も「(根津の存在は)本当に大きくて一人でリーダーぽくやっているところで元輝もいることでお互いに言い過ぎるやつがいたら慰めるやつがいたり、サポートに回ってくれたり、それだけでチームの底上げになる」と影響力の大きさを口にする。

 根津は怪我から3か月間掛けてリハビリし、現在はAチームで練習中。早速トレーニングでチームを引き締めている根津をはじめ、怪我で試合に出られない中でもチームを支えてくれている選手たちに徳永は感謝する。この日の試合前は根津らのためにも戦うことを確認してピッチへ。試合後には仲間たちの分も「(改めて)責任持ってやらないと、という話をしました」(徳永)。目の前のことに全力で取り組む主将と前橋育英は時にぶつかりながら、仲間の支えも感じながら、インターハイに臨む。

「(全国タイトル)絶対に獲りたいし、このメンバーでやるのも今年1年が最後なのでどうにかしたい」(徳ながら)。この2週間で個人の課題と向き合って改善し、一戦一戦勝ち続けて夏の頂点を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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