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1、2年生で戦う流経大柏Bは帝京に0-1で惜敗。変化を加える力も身に着け、プリンス関東1部残留を果たす

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流通経済大柏高Bのゲーム主将、MF新保柊祐が突破を図る

[10.8 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第15節 帝京高 1-0 流通経済大柏高B 帝京大学グループ千住総合G]

 必ず残留して、来年に繋げる。1、2年生のみでプリンスリーグ関東1部を戦う流通経済大柏高Bは前節まで8位。対戦相手はすべて関東の強豪クラブユース、強豪校のAチームだが、開幕戦で鹿島ユースと引き分け、矢板中央高を2-0で破るなどほとんどの試合で接戦を演じてきた。

 名門・流経大柏のBチームがプリンスリーグ関東を戦うのは初めて。その舞台で非常に良い経験を重ねているが、対戦相手も「Bチームに負けるわけにはいかない」と執念を持って臨んでくる。アディショナルタイムに喫した失点で勝ち点を落とすなど悔しい経験も。この日もインターハイ準優勝校の帝京高を苦しめたが、勝ち点を奪うことはできなかった。

 序盤から流経大柏Bのハイプレスを継続。10分を過ぎると、MF北村温人(2年)がタックルを決めてチームを盛り上げるなど、守備からリズムを掴む。そして縦パスを受けたFW粕谷悠(1年)が反転からシュートを狙い、ショートカウンターからゲーム主将のMF新保柊祐(2年)が左足シュートを振り抜く。また両サイドからのクロスでゴール前のシーンを連発。流経大柏Bの流れと言える時間帯が続いていた。

 だが、前半34分にややアンラッキーな形でミドルシュートを決められて0-1。勢いを止められると、後半はロングボールを十分に跳ね返せず、相手にボールを拾われて押し込まれ続けた。

 前半から粕谷、FW中村大翔(2年)の2トップが攻守に健闘。後半もMF笠松良緒(2年)がカウンターから馬力のある突破でゴールへ迫るシーンがあった。だが、指揮を執る高橋隆コーチは下級生の幼さやひ弱さを指摘する。

 一生懸命頑張り、プレーする姿は、対戦相手の帝京・日比威監督も高く評価していた。実直に戦い続けていたが、「ちょっと角度を変えたり、変化させる選手」(高橋コーチ)がまだまだ不在。慌てて攻めてチャンスを逸するシーンも増えていただけに、強豪相手に視野広く落ち着いて状況判断、また相手にとって嫌なプレーができる選手の台頭が期待される。

 この日は1年生CB佐藤夢真や右SB佐藤笙真人(2年)、左SB山口裕也(2年)らが帝京相手に良く食い下がり、GK土佐昴清(2年)のファインセーブもあった。またリーダーの新保は苦しい時間帯でチームを鼓舞する声。高橋コーチは「良いモチベーションでやれているので、勝たせてあげたい。でも、そんなに甘くはない」。頑張ることももちろん大事。その上でずる賢さや相手にとって嫌なプレーをすることもより目指し、残り3試合の残留争いを勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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