beacon

4-3。粘る金沢U-18に打ち勝った神村学園がプレミア昇格へ王手!

このエントリーをはてなブックマークに追加

神村学園高はMF笠置潤がミドルシュートを決めるなど4-3で勝利

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 神村学園高 4-3 金沢U-18 広島広域公園第一球技場]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023に参入する権利をかけた高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 プレーオフ(広島)が9日に幕を開け、1回戦6試合が行われた。Fブロックの神村学園高(九州1/鹿児島)対ツエーゲン金沢U-18(北信越3/石川)戦は、神村学園が4-3と勝利を収めて1回戦を突破。11日の2回戦では参入を懸けてセレッソ大阪U-18 (プレミアリーグWEST 10位)と戦う。

 途中までは間違いなくハーフコートゲームだった。セレッソ大阪内定のMF大迫塁(3年)が中盤の舵取り役を担う神村学園が、両翼を幅広く使う多彩な攻撃から金沢を押し込み続ける。23分には、この日は左サイドに入っていたU-16日本代表FW名和田我空(1年)のクロスからドイツ・ボルシアMG内定のFW福田師王(3年)のヘディングで先制点を奪い取った。

 さらに30分には「余り攻撃をするタイプではない」と笑って言うMF笠置潤(3年)が、ペナルティーエリア外から「『打ってみようかな』という感じで打ったら入ってしまって自分でもビックリした」という一発を沈め、リードを2点に広げてみせた。

 試合内容も流れも完全に神村学園ペース。このまま一方的な試合になるかと思われたが、そうではなかった。失点後にはW杯の日本代表がそうだったように、選手たちが集まって会話を交わす。「今までそういう姿は観たことがなかった」と齋藤将基監督は言うが、ここから折れずに金沢U-18は九州王者に激しい抵抗を見せていく。

 まずは34分、神村学園の一瞬の隙を突いて速攻から独走となったFW鶴谷圭吾(3年)が落ち着いたシュートを決めて1点を返す。「前半は本当に苦しかったし、失点して難しくなったけれど、『今日は絶対に決める』と試合前から思っていた」という男が試合の流れを引き戻す。さらにハーフタイムを挟んで迎えた後半11分には左クロスからFW中川豪(3年)が合わせて同点に追い付き、試合を振り出しに戻してみせた。

 だが、神村学園も打ち合いになる展開で簡単に負けるチームではない。後半15分、システム変更で高い位置を取るようになっていたU-16日本代表DF吉永夢希(2年)が「代表に残っていくためにもこういうところで結果を出していかないといけない」と裏への抜け出しから勝ち越し点を奪い取る。

 さらに後半23分にはFW西丸道人(2年)のパーフェクトなラストパスから福田がこの日2点目となるゴールを沈め、4-2。再び2点差に広げて勝負は完全に決まったかに見えた。

 しかし、この日の金沢は沈まない。

「今年は幼さの出てしまうチームで、試合中なのにミスをしてふさぎ込んでしまう選手がいたり、バラバラになってしまうこともあった。それが今日は違いました」(齋藤監督)

 今大会を3年間の締めくくりと位置付けていた金沢U-18は、劣勢の中でも反撃の糸口を探り続けると、アディショナルタイムに交代出場のFW井上龍昇(2年)が決めてまたも1点差に迫る。神村学園側の焦りも引き出される展開となったが、最後は神村学園守備陣も粘ってさらなる反撃は許さず、試合終了。粘る金沢U-18を打ち合いの末に退けた九州王者が、夏のクラブユース王者・C大阪U-18の待つ決定戦へと駒を進めた。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022
●高円宮杯プリンスリーグ2022特集
●高円宮杯プレミアリーグ2022特集

TOP