beacon

MF高山尭大が“ルーレット”から決勝点!星稜がMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16で3位に

このエントリーをはてなブックマークに追加

{c|星稜高}}が「2022 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16」で3位に

[12.19 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-163位決定戦 西武台高 0-1 星稜高 時之栖うさぎ島G]

 全国9地域のU-16リーグ戦上位によって争われた「2022 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16」は19日、3位決定戦を行い、星稜高(北信越1/石川)が1-0で西武台高(関東1/埼玉)に勝利。3位で大会を終えた。

 星稜は、北信越ルーキーリーグで勝利している帝京長岡高(北信越2/新潟)に前日の準決勝で敗戦(0-5)。八木沼瞬コーチは「(河合伸幸)監督の方からも『3位に上るか4番では全然違う』と話して下さったので、そこは自分も同じ思いですし、日本一を目指せなくても今日の24時間の中で3番になることが一番良いことなので引き締めて、前向きに子どもたちと接したつもりです」と説明する。悔しい敗戦だったことは確かだが、選手たちもこの日の朝には切り替えていたようだ。

 GK橋本育磨は、「全体的にも切り替えようと言っていたけれど、(前日は)引きずっている選手も多くて。でも、寝て起きてからみんな気持ち切り替えていて、それがこの勝利に繋がったと思います」と頷く。関東王者の西武台との1点勝負を制した星稜が全国3位になった。

 予選リーグ無失点の西武台は怪我などでメンバー構成に苦慮していたが、その影響を感じさせない戦い。今年、長くAチームの先発を務めていたCB谷口輝が中心となって相手の攻撃を跳ね返すと、こちらもAチームで先発を務めていたエースFW竹内奏海やMF宇野大稀主将、10番FW遠藤秀悟を起点に広く空いたサイドのスペースへ展開する。そして、竹内のシュートなどから先制点を目指した。

 一方の星稜は後方から丁寧にビルドアップし、GK橋本のロングキックやMF山口晴のドリブルを活用。左SB尾森虹太が判断よく中央のスペースへ運び、MF高山尭大のシュートに繋げるシーンもあった。

 その星稜は後半4分、右サイドで相手のクリアミスを拾った高山が、「相手がちょっと寄ってきたり、ポジションが微妙だったので、咄嗟に出ました」という“ルーレットターン”。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシに憧れるレフティーは巧みにゴール前へ侵入すると、そのまま左足シュートでニアサイドを破った。

「昨日、準決勝で負けて悔しかったんですけれども、きょう勝って石川に帰るということでやりました。めちゃくちゃ嬉しいです」という高山のゴールで先制した星稜に対し、西武台は交代出場のMF泉谷俊が攻撃を活性化。宇野のキープから竹内がシュートを放つなど反撃し、36分には泉谷が右中間を抜け出す。

 だが、思い切りよくアタックした星稜GK橋本が1対1をストップ。星稜は村上颯俄北方陽己の両ボランチが試合を通して良く利いていたほか、終盤には一際気迫を感じさせていたCB内久保道我が連続でヘディングクリアする。

 そして、1-0で勝利。元主将の八木沼コーチは「(当たり前のことを大事に、1年生で)土台をつくって上のチームへ、と思っています。(河合)監督が1年生に対して初めに大事にして欲しいところは個性と言っていましたので、個性ありきでチーム戦術を決めましたし、守備の仕方も変えましたし、今回はいかに20人で全国大会を経験できるかなので、試合もローテーションで(20人全員を)使ってきました」と説明する。星稜の伝統を伝え、メンタリティーや個の部分から指導。選手たちは可能な限り24時間をコントロールしながら成長を目指してきた。

 高山は「自分たちは層も結構厚い。今回は準決勝で負けてしまったので、次は優勝できるように頑張ります。勝ち切らないといけないところで勝ち切れなかったり、失点してからの逆転とかあまりないので、そこのチームづくりをしっかりしたい」と力を込めた。全国3位の貴重な経験を持ち帰り、またチームで努力を続けて目標の日本一へ繋げる。

後半4分、星稜高MF高山尭大が決勝点

(取材・文 吉田太郎)

TOP