[1.29 東北高校新人選手権準々決勝 尚志高 1-2 遠野高 Jヴィレッジ]

　前回王者・尚志高(福島)の猛反撃を凌いで準決勝進出。遠野高(岩手)の佐藤邦祥監督は、取り組んできた技術力を発揮したことに加え、「後ろのラインが我慢強くやってくれたと思います」とDF陣を評価していた。

　尚志は0-0の後半開始からJクラブ注目のMF安齋悠人(2年)を投入。遠野のDFリーダーCB畠山哉人主将(2年=北上市立飯豊中出身)は、「(安斎は)本当に上手い」と振り返る。その安斎に同点ゴールを決められ、2-1の終盤にはFW矢﨑レイスやFW笹生悠太とパワーのあるFWにゴールへ迫られた。

　だが、畠山が「身長見ていての通り低いので、自分たちは予測とかポジション取りとかでやらなきゃいけないと言われている」という遠野DF陣はやるべきことを徹底。スペースへのボールに反応速く対応する畠山を中心にチャレンジ&カバーを欠かさず、その攻撃を阻止していた。

「身長もなければ個の力もないのでみんなで協力してというか、距離感は意識させて声を出していました。(尚志のタレントたちにに対して)やりながら怖いというのはあまりなかった」と畠山。その主将に加えて、CB佐々木湧太(2年)、右SB田代成琉(2年)、左SB戸羽輝希(2年)の4バックは距離感を大事に戦い、GK山田凉楓(2年)や献身的な中盤・前線の選手とともにゴールを守り抜いた。

　畠山は、チームを鼓舞する声も。「前の試合、自分全然ダメだったので、怪我しても良いくらい戦って、声を出していました。結果に繋がったのでそこは嬉しかった」。強い責任感を持って戦って勝利した試合を笑顔で喜んだ。

　昨年1年間は、下級生中心の先発メンバーで結果を出せなかっただけに、先輩たちの分も今年はやらなければならないという思いを持っている。仙台育英高(宮城)、尚志と強敵を連破して次は東北準決勝。主将は「例年に比べて仲の良さが凄くある」というチームメートとともに戦い、白星を勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)