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23年日本高校選抜主将のMF徳永涼。チームを勝つ組織に進化させ、自身も活躍し、将来に繋がる活動に

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日本高校選抜のリーダー、MF徳永涼主将(前橋育英高3年)

[2.11 NEXT GENERATION MATCH 横浜FMユース 2-2 日本高校選抜 国立]

「(終了間際のゴールで)同点には追いつけたんですけれども、やっぱり(高校サッカー部の)代表を背負っている以上、勝たないといけないゲームだったので、凄く悔しかったです」。

 日本高校選抜のリーダー、MF徳永涼主将(前橋育英高3年)は引き分けという結果、個人のパフォーマンスについても悔しがっていた。前半5分で先制も、「1点目のあとの緩みが。育英でもそうだったんですけれども、2点目を取れるチャンスがありながらも決定的なシーンを何度か外してしまって、流れを持って行かれてしまった」。前半半ば頃から徐々に相手ペースに。日本高校選抜はミス、ピンチの数が増えて同点で前半を折り返してしまう。

 その中で徳永はチームがやるべきことを率先して表現。「中盤の球際やトランジッションのところでもっとやらないといけないなと個人的に思ったので、後半はタメの部分と、攻から守だったり、守から攻のスプリントの部分を自分が率先してやろうと」。右サイドのスペースを狙うSB坂本翼(大津高3年)へ好パスを通したほか、積極的に前へ出てスペースを作り、守備にも奮闘した。

 チームは逆転され、1-2で試合終盤へ。だが40+1分、徳永は左サイドからマイナスのパスを受けると、「斜め後ろで受けてサイドチェンジというのはいつも狙っている」と逆サイドへ大きな展開を見せる。

 ボールは飛び出したGKの先へ抜け、後半途中から右SBへ移った野頼駿介(桐光学園高3年)の下へ。これを野頼がダイレクトで折り返し、FW塩貝健人(國學院久我山高3年)が劇的な同点ゴールを決めた。

 徳永は、前半5分にも先制点に繋がる浮き球パス。この日は2ゴールに絡む活躍を見せたが、2点目を演出したようなパスの本数を増やせなかったことや、プレスの速さを求めるレベルまで高められなかったことを反省していた。これらや、雨雪後のぬかるんだピッチでプレーしたことは今後への学びに。培ってきたことを日本高校選抜を勝つ組織にすること、また将来へ向けてアピールすることに繋げる考えだ。

 U-17日本高校選抜、U-18日本代表を経験している徳永は、23年日本高校選抜チームの主将に就任。日本高校選抜の選手たちも「ハンパない」と認めるリーダーは、「(主将に指名されて)嬉しかったですけれども、このチームで勝たないと面白くないので『勝つ組織』にしようというところでコミュニケーション取ったり、ミーティングしたりというところを意識しています。あとは仲が良くなってくると気の緩みも出てくると思うんで、締めれる人間が必要かなと思うので、そういう役割になれるように頑張りたいです」と語った。

 日本高校選抜は1月に選考合宿が行われ、今回の活動から本格的にチームの構築を始めたばかり。まだまだ言いたいことが言えない選手も多いだろう。主将は周囲にアンテナを張りながら、時に強く言うことも意識。互いに言い合える環境、全員でまとまるチームになることを目指していく。

 個人としても、日本高校選抜は将来へ向けたアピールのチャンスだ。2月末開幕のデンソーカップチャレンジで大学トッププレーヤーたちと対戦し、4月には欧州遠征が控えている。「プロのスカウトの方も凄く多くいると思うので、自分を売り込むという面で自分の存在価値を示さないといけないですし、将来を見据えた時に自分はすぐに海外へ出て行きたいので、海外で自分の名前を売るという面も考えてサッカーに全てを捧げたい」。現在の自分の力を発揮し、将来に繋がる活動にするつもりだ。

「みんな個性が強いので、それを(コントロールタワーの)自分がどう調理するかは自分の腕にかかっているし、それでチームが良くなるか、悪くなるかっていうのはあると思うので、しっかりコミュニケーションを取って、話しながら自分が調理するというところと、あとは自分が点だったり、アシストに絡むというところでしっかり結果で名前を残せるように意識しています」。今回の日本高校選抜は23名中、6名が前橋育英の選手。勝手知ったる選手たちのサポートも受けながら日本高校選抜をまとめ、勝つ組織にして、個人・チームで結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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