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福岡大若葉は創部4年目で激戦区勝ち抜き、九州新人、サニックス杯出場の快挙。強豪のピッチ内外から学び、次の目標達成へ

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創部4年目で九州大会初出場。福岡大若葉高は貴重な経験を今後の飛躍に繋げる

[2.18 九州高校新人大会予選リーグ 鹿児島城西高 1-0 福岡大若葉高 西原町東崎公園サッカー場]

 創部4年目で九州大会初出場。福岡大若葉高(福岡2)が、初挑戦の舞台で現在地を確認している。鹿児島城西高(鹿児島1)との予選リーグ初戦は入りが良く、スピーディーなパスワークで主導権を握った。九州の名門・福岡大の附属校で同大のグラウンドで練習に励む新鋭は、球際での強度の高さを見せるなど鹿児島王者と渡り合っていた。

 だが、徐々に地力の差が出てしまう。システムを変えながら相手を上回る局面を探り、GK野上大翔(2年)や万能型DF吉住気喬主将(2年)の好守などで1点差のまま食い下がった。そして、FW牧山大河(2年)のスピードや10番MF渡邊陽平(2年)の突破力を活かしたカウンターから同点を目指したが、0-1で敗戦。後半勝負に持ち込もうとした第2節・佐賀東高(佐賀1)戦も細部で差をつけられてしまい、攻めに出たところで失点するなど悔しい2連敗となった。

 ベンチには九州国際大付高(福岡)をインターハイ、選手権全国大会出場へ導いた杉山公一監督や福岡大監督と兼任する名将・乾真寛総監督兼アドバイザーの姿。もちろん、勝利、決勝トーナメント進出を目指していたが、チームは先を見据えて九州大会でできること、できないことを洗い出すためのチャレンジをしていた。

 現3年生の世代はMF森部圭汰やFW合戸晴矢(ともに福岡大へ進学)ら将来性豊かな選手たちを擁し、全国大会出場に狙いを定める好チームだった。その3年生チームの中で力を磨いた1、2年生たちが、新チームで健闘。県新人戦では、いずれも伝統校の東海大福岡高と筑陽学園高を連破。そして、選手権出場校である飯塚高にも「(相手のU-16代表選手へのマンマーク、189cmDFのFW起用、PK戦含めて)全てプラン通り」(杉山監督)の戦いで勝利して初の決勝進出、九州大会とサニックスカップ国際ユース大会出場権獲得を果たした。

 杉山監督は今年のチームについて、「素直で言われたことは丁寧にできる」と説明するが、「ここから先は勝ち上がっていくために(自分たちが)何をしなければいけないのか、ここからの半年で育てていかないといけない」。学校生活や公式戦でもまだまだ隙はあり、今回の沖縄遠征へ向けてピッチ外での準備不足もあった。
 
 それだけに、吉住は今大会で「勝っているチームの普段やっていることや、ゲームでの声がけとか、いいところを盗んでいきたい」という。粘り強い守備を軸に激戦区・福岡を勝ち抜いたが、満足することなく全員攻撃・全員守備で全国区の強豪校を上回れるように、個人、チームで成長を目指す。

 福大の附属校であること、またポテンシャルを秘めたチームであることからアビスパ福岡U-15出身の吉住ら野心を持った好選手が進学。昨年はMF森部絢(1年)ら3人がU-16福岡県選抜に選出され、国体を経験した。

 吉住は今年の目標について、「まずは県リーグがあるので優勝して、プリンス(リーグ)へ行けるように。インターハイも、選手権も、優勝目指して頑張りたい。(九州大会で対戦したチームとの)差はそんなに大きくないと思うんですけれども、一つ一つの個人の技術とかが相手の方が上だったので、少しでも近づいていけるようにしたい」と力を込める。新1年生も福岡県内外から楽しみな選手が加入予定。この九州大会やサニックスカップの経験を目標達成に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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