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悔しさ滲ませた静岡県ユース選抜MF田中侍賢主将。課題改善し、「圧倒」してトップ昇格とプレミア昇格を目指す

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静岡県ユース選抜の主将を務めたMF田中侍賢(清水ユース2年=清水ジュニアユース出身)

[3.5 静岡県ヤングフェスU-17男子の部 静岡県ユース選抜 0-4 U-17日本高校選抜 草薙陸]

 王国の意地を見せることはできなかった。U-17日本高校選抜撃破を目指した静岡県ユース選抜だが、雨による不運な失点もあって0-3で前半終了。後半はMF星戸成(清水ユース、2年)やMF内木璃斗(富士市立高2年)を軸にボールを動かし、保持する時間を増やしたが、最後まで1点が遠かった。

 キャプテンを務めたMF田中侍賢(清水ユース2年=清水ジュニアユース出身)は、「地元・静岡ということで勝ちが絶対条件でやったんですけれども……。(気持ちを)入れ直して後半、自分たちのサッカーができたんですけれども、点が取れない。自分たち攻撃陣の責任を感じていて、後半も失点してしまって不甲斐ない試合になってしまいました」と悔しさを滲ませていた。

 田中はU-15、U-16日本代表歴を持つ注目アタッカー。これまでキャプテンを務めたことはなかったというが、鷲津延圭監督(藤枝東高)から指名されて大役を担った。声よりも、プレーで引っ張るリーダーは雨中で右サイドから積極的な仕掛けを連発。チーム最多のシュート3本を放ったが、得点を奪うことはできなかった。

「右でもらった時にクロスが引っかかったり、シュートまで行けなかったり、高校選抜は個の力があってシュートまで行けていた。自分たちはシュート数も少なかった。サッカー王国というところでこの活動が長く続いていて、去年負けて、今年は勝つ、というところで静岡の皆さんに勝ちを届けられなかったことは非常に悔しいですね」と首を振る。

 自身にとっても、U-17日本高校選抜を上回るプレーを見せ、年代別代表復帰やトップ昇格に繋げたい思いがあった。「今、身近で言ったら(静岡ユースのチームメートで、U-18日本代表の静岡学園FW)神田奏真とか、トップで活躍している(磐田U-18のFW)後藤啓介とか置いて行かれている。焦りが自分の中でもあるんで、今年はプリンスなんですけれども自分が圧倒して代表に絡んで、トップで活躍できるようになりたい」。この日の悔しさを忘れずに努力し、プリンスリーグ東海開幕戦から圧倒的なプレーをする。

 名門・清水ユースは昨年のプレミアリーグWESTで11位に終わり、初のプリンスリーグ東海降格。今年は巻き返しの1年だ。昨年は声が出ていなかったり、失点した後に下を向いてしまったり、「勝つチームの雰囲気」が不足していたと感じている。だからこそ、その部分から変え、プリンスリーグ東海で「圧倒する」意気込みだ。

 個人としても、トップチーム昇格へ勝負の1年だ。キャンプに5日間参加。「オン・ザ・ボールも必要なんですけれども、サッカーってボールを持っていない時間がほぼなんで。自分の長年の課題であるオフ・ザ・ボールのところでどうやって背後取るとか、守備だったらどういう位置に立つかというところで違いを見せないと。キャンプに行ったときも痛感したので徹底してやりたい」。課題を改善し、強みであるドリブル、パス、シュートで結果を残してチャンスを勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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