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静岡県ユース選抜の10番を背負った名手、MF星戸成は力をつけ、観衆を驚かすようなプレーでゴールと白星を

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静岡県ユース選抜の10番を背負った名手、MF星戸成(清水ユース2年=清水ジュニアユース出身)

[3.5 静岡県ヤングフェスU-17男子の部 静岡県ユース選抜 0-4 U-17日本高校選抜 草薙陸]

 王国の10番は力をつけて、より上のステージへ行く。静岡県ユース選抜はボランチで先発した10番MF星戸成(清水ユース2年=清水ジュニアユース出身)がビルドアップの中心に。「狭い中でのボールのさばきとかキープとかは小学生からのフットサル仕込みで、自分を中心にボールを持ってやっていたから今のこの技術がある」というMFは、雨中で一際正確にボールを扱い、中央からドリブルで一気に運ぶシーンもあった。

 本人もドリブルはU-17日本高校選抜相手に通用していたと自己分析。だが、「(最近主戦場のトップ下と異なり、)ボランチで取られたらそこで致命的なミスになってしまう。思ったよりも自分のプレーができていなかった。1失点目が自分のトラップのところを狙われて失点してしまった。あの失点がなかったら、と試合中も考えていました」。静岡の10番にとって、悔いの残る試合となった。

 星戸はピヴォ(静岡)の一員として全日本少年フットサル大会優勝。清水ジュニアユース時代は10番でキャプテンを務め、U-15日本代表候補にも選ばれている。ボールを持った時の動きや抜け出す動きはストロングポイント。今回、数々の才能がつけてきた静岡の10番を経験したMFは、「自分のプレースタイルに合った番号だなと思って、その自信と自分の武器を使って、チームでも10番つけていきたい」と語った。

 昨年は下級生ながらプレミアリーグWEST22試合中21試合に出場。だが、チームは11位で初の降格と悔しいシーズンとなった。攻撃的なサッカーのボランチとして自覚を持ち、ボールに多く係わってプレー。だが、「最後の方、体力面が落ちてきて自分がボールに係われなくなってからの失点とかが多くなってしまった。もっと自分が体力をつけて、ボールに係わり続けられるようにしたい」。悔しさは新シーズンへのエネルギーになっている。

 課題としているのが、ゴール前の精度と体力面。その課題を改善して、チームを上のステージへ引き上げる。「まずは去年、プレミア(リーグ)から落ちてしまったので、今年プリンス(リーグ東海)からプレミアに上げるのは最低限の目標にして、個人としては自分がチームの中心となって、チームを鼓舞して、全勝を目標にしてやっていきたい。あとは上のカテゴリーを目指していけるように、去年のプレーだとダメだと思うので、1から、体作りから意識していかないといけないと思います。今のままでは上がれないというのがあるので、これからの一年で自分がトップに行けるような力を身に付けること」。ユースから直接、それが実現できなくても、自分の価値を上げて清水に戻り、活躍することが目標。「攻撃が大好きなので観客が思わないようなプレー、見ていて楽しいサッカーがモットーとしてある」と語る名手が、観衆を驚かせるようなプレーでゴールと白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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