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[MOM4246]流通経済大柏DF高橋力也(3年)_“吹っ切れた”CBが好守連発。尚志攻撃陣の前に立ちはだかる

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流通経済大柏高CB高橋力也(3年=ジェファFC出身)は対人守備、シュートブロックと好守連発

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.2 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高 0-0 尚志高 流通経済大柏高G]

 3月、「自分のしたいことができなかった。何やっているんだろうと……」という時期があったという。先発落ちも経験したが、モヤモヤした気持ちを“吹っ切って”臨んだプレミアリーグEAST開幕戦で指揮官も絶賛するパフォーマンスをしてのけた。

 ヘディングの強さなどを特長とするCB高橋力也(3年=ジェファFC出身)は、選手層の厚い流通経済大柏高(千葉)で昨年途中から先発を務めるストッパーだ。この日は尚志高(福島)のU-18日本代表候補FW網代陽勇(3年)に対してCB塩川桜道(3年)とともに強気のディフェンス。積極的に前へ出て潰し、シュートをブロックして見せる。そのDFはJクラブ注目の高速アタッカー、MF安齋悠人(3年)の前にも立ちはだかった。

 安齋は前半から左サイドで圧倒的なスピード、突破力を発揮。流経大柏の選手は思い切って距離を詰めようとしていたが、かわされてピンチになりかけるシーンが幾度もあった。だが、そのたびに高橋がカバー。「試合前からも安斎選手は結構警戒していたところでした。いつもよりSBとカバー意識して、『抜かれても自分がいるから大丈夫だよ』という感じでやっていました」という。

 スピードに乗った仕掛けてくる安齋は、「ヤバかったです」と高橋。だが、迷うことなく身体を投げ出してタックルし、また巧みにボールと相手の間に身体をねじ込んでマイボールに変えていた。相手の速さに遅れを取ってファウルになったシーンがあったことも確か。だが、背番号はそれでも止め続けてゴールを許さなかった。

「完全に抜かれることはなかったので対応としては良かった。1対1の対人カバーリングは自分の持ち味ではないんですけれどもきょうやってみて、自信になった」。浮き球の処理、セットプレーで決め切る部分に課題も残したが、榎本雅大監督は積極的な姿勢を全面に出して戦った高橋を高く評価していた。

「ずっと本調子じゃなくて、このスタンスでやられても良いからやれと。きょうは本当に素晴らしかったと思う。ガンガン行っていた」(榎本監督)。一時、守りのプレーになってしまっていた高橋だが、3年生の自覚を持って取り組み、改善。U-17日本高校選抜の活躍で注目された塩川からも刺激を受けていたという。この日は、互いに補完しながら守った塩川らチームメートにも支えられ、無失点と勝ち点1獲得に繋げた。

 昨年のチームのDFには,、DF大川佳風やDF萩原聖也、DF都築駿太(全て流通経済大へ進学)という世代を代表するDFたちがいた。一緒にプレーする中で芽生えた自覚。「自分たちの代になったらオレが引っ張ってやると。昨年と比べて、メンタルの部分で一番成長できた」。上手くいかない時期を乗り越えてまた成長。DFフィルヒル・ファン・ダイク(リバプール)を参考に1対1やカバーリングを磨くストッパーが、強い責任感を持って流経大柏のゴールを守り抜く。

(取材・文 吉田太郎)

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