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[MOM4252]國學院久我山MF山脇舞斗(3年)_「自分がやらないといけない」。新10番は突破も、ゴールも

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後半、國學院久我山高の10番MF山脇舞斗(3年=ブリオベッカ浦安出身)が相手DFの股間を通すドリブルで突破

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.16 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第3節 國學院久我山高 2-2 桐光学園高 國學院大學たまプラーザG]
 
 強豪校同士の戦いで一際存在感を放っていた。國學院久我山高(東京)のMF山脇舞斗(3年=ブリオベッカ浦安出身)は前半13分に先制点を叩き出し、後半も相手DFの脅威に。日本高校選抜FW塩貝健人(現慶應義塾大)から10番を受け継いだMFが、昨年は抑えていたという武器を随所で発揮していた。

 前半13分、MF小宮将生(3年)からのパスを右中間で受けてドリブルで仕掛ける。そして、鋭い動きでマークを外し、強烈な右足シュート。「結構イメージ通りにできました。シュートフェイントでちょっと運んでシュートという感じでした。あれ(コース)は結構たまたま」という一撃をニアへ突き刺した。

 立ち上がり劣勢だったチームの空気感を一変させるようなファインゴール。この後も目立つ動きを続けていた。「結構練習しています」というドリブルでDFの前に潜り込んでいたほか、カットインからシュートも。また、「瞬発力、キレは結構ある」と語る10番は、加速した状態でのファーストタッチで相手を振り切るようなシーンも幾度かあった。

 後半、主導権を握り返したチームを引っ張っていたが、勝利することはできず。「先週もめっちゃ勝てた試合で僕が決められなかったり、チームが決められなかったりしていたので、課題は決定力を足していけというところですね。(今日も仕留めに行ったが)疲れちゃって、最後。だから、走り込んで体力をつけたいと思っています」。終盤も相手DFの股間を抜くドリブルなどでチャンスメークした一方、完璧に止められるシーンも。それだけに、課題を改善することを誓っていた。

 昨年もインサイドでプレーしていたが、先輩たちの引き立て役に回っていた。「去年は塩貝君が一人でやってくれたり、左の(中山)織斗とかが結構やってくれるんで、他人任せのところがあった。今年はそうもいかないので、自分でやらないといけない」。この日は運動量を増やしてボランチの位置まで下がって守備も。その上で、昨年に比べて層の薄いアタッカー陣を自分が引っ張ってチャンスメークし、決める意気込みだ。

 目指しているのは、塩貝のような10番。この日は後半も出力の違う動きを見せていたが、まだ足りないと考えている。「去年の10番の塩貝君の方がもっとあったので、越せるように頑張りたい。あれはヤバい。エグかったです。去年の10番が本当に凄かったので、あれを目指しているので。(ただし、一人でやりすぎると)体力が持たない。パスを使えるところはパスも使えるようにしたい」と語った。

 この日は強引にドリブルするシーンが多かっただけに、李済華監督はよりパスを選択肢に入れながらプレーすることを求める。ただし、その考えをゴリ押しするつもりはない。「どういうプレーヤーへ自分を作り上げていくのか。スピードも見た目よりもあるし、前に抜けるという良さもある。パス、パスと言っちゃうとアイツの良さが失っちゃうんで。前に入っていける選手が重宝されるしね。自分のスタイルを作ってくれればと思いますよ」。山脇はスルーパスも得意。現状では意図的にドリブルを増やしているが、チームが勝つために最善のプレーを選択していく。

「負けたくないので。自分が取ってもチームが勝てないと。きょうもあまり嬉しくはないんですけれども、勝たないと始まらないと思う。ディフェンスも攻撃もやって、チームを勝たせられる選手になりたい。(塩貝は)大事なところで点を取ってくれたり、前で収めてくれたり、闘志がめっちゃ凄かったのでそういうのを出していきたいです」

 10番のプレッシャーはある。「周りの目とかあるので、それに負けないように努力していきたい。(この1年、)優勝は大前提というか、インターハイ・選手権出て個人的にも得点王を狙えるように頑張りたいです」。前任の10番は嫌われ役なってもチームに意見し、ピッチ外でも本当に努力を続けて進化。自分も自覚を持って成長を続け、チームを勝たせる10番になる。

(取材・文 吉田太郎)
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