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得意の左足で2点演出も自身のゴールと白星が不足。U-17日本高校選抜の10番、桐光学園MF松田悠世は自分が決めて「信頼を」

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桐光学園高の10番MF松田悠世(3年=シュートFC出身)は2得点を演出したが、満足していなかった

[4.16 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第3節 國學院久我山高 2-2 桐光学園高 國學院大學たまプラーザG]
 
 10番の左足とドリブルは國學院久我山高(東京)の脅威になり続け、2得点を生み出した。だが、桐光学園高(神奈川)の鈴木勝大監督の評価は非常に厳しかった。「何回か前半もカットインしてチャンスがあったと思うんですけど、アイツがこの先、上に上がりたいんだったら、ああいうところでしっかりと決めれる選手にならないと」。U-17日本高校選抜MF松田悠世(3年=シュートFC出身)にこの日の3倍、5倍とも言える活躍を求めていた。

 序盤から右サイドの松田にボールが集まる中、ドリブルで中、縦へ。また、精力的に駆け上がってくる右SB杉野太一(2年)を活用し、クロスに繋げていた。前半12分にはカットインから左足シュート。24分には左サイドを突破したMF齋藤俊輔(3年)からのラストパスを中央で受け、左足を振り抜いた。

 だが、ボールはわずかにクロスバーの上。前日の雨でスリッピーだったピッチに悩まされる部分もあった。それでも、松田は得意の左足で2得点をもたらす。0-1の前半42分、右サイドからのCKで「セットプレーは、ちょっとゴールに向かうようなボールを心掛けて」左足でキック。ゴール前にこぼれたボールをMF羽田野紘矢(3年)が押し込んで1-1となった。

 さらに後半5分、再び右サイドからのCKをニアの羽田野の頭に合わせて2-1。この後もプレースキックを味方の頭に合わせるなどチャンスに絡んだ。だが、後半は相手にボールを保持される時間が増え、ボールが届いてもドリブルを警戒されて流れの中で決定機を作れない。

 ポジションを中央に移した試合終盤には、PA内左から強烈な左足シュート。だが、GKに反応され、2-2で引き分けた。「決定力の部分で、今日の試合もあと2、3点、自分も取れたし、チームとしてももっと点を取れたと思っているので、まだまだ課題かなと思います」と反省。そして、「責任は感じているので、今日は勝ち点1を取れたのが良かったなと思えるような試合にしたいと思うので。次は桐蔭(学園、神奈川)なんで、絶対に負けられないので、自分の点で勝ちたいなと思います」と誓っていた。

 昨年は夏冬の全国大会出場を逃したものの、今年はU-17日本高校選抜候補に選出。選考合宿からアピールを続け、U-17日本高校選抜の10番を背負ってフェスティバルや練習試合に出場した。特にドリブルは止まらず、同世代、年上のDFを個で攻略。左足でゴールも決めるなど活躍した。この活動で自信をつけたと同時に学ぶことも多かったようだ。

「高校選抜の経験は、本当に大きかったですし、青谷(舜)と2人で行って、得たモノをチームに還元しようと、2人で話していました。強度とかも(神村学園の)西丸道人とかは、すげー声出して鼓舞してやっていたし、そういう選手がプレミアでもう5点くらい取っていて、ああいう選手が活躍するんだなというのはチームのみんなにも伝えたし、還元できることは、伝えました」

 また、U-18の日本高校選抜と練習試合で対戦し、1人で局面を変えたり、ゲームを支配するようなプレーを見せていたMF徳永涼(前橋育英高→筑波大)やFW塩貝健人(國學院久我山高→慶應義塾大)とのレベル差を痛感。彼らを超えるための日常を過ごし、進路を考えていく。

 高校ラストイヤーは去年の悔しさも込めて戦う。「去年、(全国大会に)行けなかったのも自分の責任が大きいので。今年は試合を決め切れるような選手になりたいですし、難しいゲームが続くと思うんですけど、自分のところで、オレに出していれば点が取れるという信頼をみんなに与えたいなと思っています」。進路にも注目が集まるが、まずは桐光学園での勝利に集中。圧倒的な活躍、結果で評価を上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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