[4.16 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第3節 國學院久我山高 2-2 桐光学園高 國學院大學たまプラーザG]
　
　注目ドリブラーは、もう1段階スケールアップする。桐光学園高(神奈川)のMF齋藤俊輔(3年=横浜FMジュニアユース出身)は前半、左サイドで違いを見せつけるような動き。立ち上がりに中へのドリブルから右足を振り抜くと、その後は縦への勝負を繰り返して相手DFを翻弄した。

　細かなタッチのドリブルと大きく持ち出してのスピード勝負を使い分けて抜け出し、正確なラストパス。味方のシュート精度が高ければ1点というシーンを演出した。ただし、得点に繋がらず、後半は1人抜いても奥側にカバーの選手がいる状況。なかなか仕掛けることができず、パスを選択するシーンが増えた。

「(後半は)ちょっと苦しかったです。やり辛かったです。FWに当てて、そこに絡んでいけばゴール前までは行けるんですけど、そこの精度があまり良くないので、合わせられるようにしたいです」。後半は前半のパフォーマンスを継続できずに2-2で引き分け。練習では前線の選手に当てて侵入して行く質もレベルアップしているというだけに、「ゴールまで繋げたいです」と誓っていた。

　右のレフティードリブラー、MF松田悠世(3年)と齋藤の両翼は今年の桐光学園の最大のストロングポイントだ。だが、全国大会に出場できていないこともあり、今年のU-17日本高校選抜には松田だけが選出。「全国とかで通じるのは分かっているので、より上のレベルで証明したいです」という思いがある。

　齋藤は日本高校選抜とU-17神奈川県選抜の練習試合で突破力を発揮。高校トップクラス相手でも活躍する力の持ち主は、どんな試合でもゴールに繋がるプレーをすることが目標だ。「チームの流れが悪い時に、一人で変えたいです。対策されてからが課題だと思います。(國學院久我山高戦の後半のように)ああいう時間帯に一人で行って点を取れたら楽になると思います」。昨年の左WBからよりゴールに近いポジションへ。チームが勝つためにも、自身の評価を高めるためにも結果が必要だ。

「シーズンを通して、点もアシストも増やして、ゴールに係わりたいです。負けているゲームでも、勝ちに転ぶようにしたいです」。得点に絡めなかったこの日は、元福岡DFの鈴木勝大監督も「(本来の)10%くらい」と非常に厳しい評価。今後、プリンスリーグや神奈川県の戦いでも対策されるだろうが、それを超えて白星に結びつける。

(取材・文　吉田太郎)

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