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[MOM4267]武南FW戸上和貴(3年)_進路に後悔無し。どんなボールも収め、決める万能FWへ

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武南高FW戸上和貴(3年=FC LAVIDA出身)は前線で万能性を発揮し、1得点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.26 関東高校大会埼玉県予選準決勝 武南高 3-0 浦和東高 駒場]

「自分は万能なFWになりたいと思っている。どんなシュートでも決めたいと思っている。スピードもかなり自信がある方。裏抜けだったり、ヘディングの強さや逆足も使えるので、万能型FWになって、全てのボールに対応して、全て得点に結び付けられるFWになりたい」

 武南高FW戸上和貴(3年=FC LAVIDA出身)の目標とする姿は明確だ。全てのボールを収め、ゴールに結び付けられるストライカー。容易ではない目標だが、背番号9は関東大会出場決定戦で多才なFWであることを印象付けた。
 
 前半13分、相手DFと強引に入れ替わって抜け出し、右足一閃。14分には右SB山崎元就(3年)のクロスボールを頭で合わせ、ポストにヒットさせた。内野慎一郎監督が「ポジションの取り方が前半から良かった」と評したFWは、ポジショニングの良さ、またボールロストしない力も発揮。後半立ち上がりにはミドルシュートを打ち込むなど、相手のとって怖い存在になっていた。

 そして、1-0の後半半ばから右サイドへ移ると、37分、左クロスから左足ダイレクトでゴール。「(CFの時、)自分の裏がいなかった。右サイドからどんどん中に中に入っていこうという意識でやっていて、そうしたら10番の(松原)史季からクロスボールが自分のところにきた」。狙い通りの形でゴール。戸上の2試合連続ゴールが勝敗の行方を決定づけた。

 得点を奪うこと、またボールを失わないことへのこだわりも強い。「味方のリズムを崩さないためにボールを失わないということは一番大切だと思うので、どんな状況でも、どんな味方のちょっとしたクリアボールでも、苦しい状況で出したボールでも、自分が一回収めてマイボールにしてリズムを作っていく。武南はポゼッションサッカーなのでリズムを作っていくという意味でボールを失わないことは意識しています」。この力は、全国トップクラスの街クラブ、FC LAVIDA時代から磨いてきたものだ。

 個性を大事にするFC LAVIDAでは、激しいプレッシャーの中でもボールをキープする力を身につけることができた。推進力を持ってスピードに乗った前へ出ていくドリブルは、簡単には止めることができない。

 昌平高で練習するFC LAVIDAから昌平ではなく、武南へ進学した。武南で昨秋に先発を獲得したが、選手権予選は県ベスト16敗退。一方で昌平はインターハイで3位に入り、選手権も出場。そして、今年はプレミアリーグに初挑戦する。旧友たちの活躍に悔しい思いを持っているが、自分が選んだ進路に後悔はしていない。

「昌平も良いチームだし、自分も最初行こうと思ったんですけれども、競争も厳しくなる。そこで挑戦するのもありなんですけれども、自分は逆に昌平を潰しに行きたいなと。自分、LAVIDAの頃はめっちゃ中心ではなかったので、みんなを見返してやりたいと思っているので、自分は武南に来て、昌平を逆に倒してやろうと思っています」

 今年、戸上が掲げている目標は県4冠。「全部のタイトルを今年は武南が取ることは意識しています」。そのためにはインターハイ予選、選手権予選で旧友たちに勝利しなければならない。そのためにはまだまだ収める力も、決定力も必要。目標を実現するためにも、ライバルたち以上の日常を過ごし、自分の力をもっともっと引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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