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「自分が負けていたら……」。実践学園の187cmCB鈴木嘉人主将がハイタワー対決で役割果たす

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実践学園高のCB鈴木嘉人主将(3年=湘南ベルマーレEAST出身)は東京決勝で抜群の高さを発揮

[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 修徳高 2-1 実践学園高 駒沢2]

 関東高校大会東京都予選決勝で存在感を放った一人が、実践学園高のCB鈴木嘉人主将(3年=湘南ベルマーレEAST出身)だ。187cmの大型CBはこの日、修徳高の189cmFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(3年)とマッチアップ。「試合始まる前から強烈なFWがいるのは知っていたので、そこで自分が負けていたら結果に直結するくらいの感覚というか、イメージを持って試合に臨んでいた」というDFは高さで勝ってみせた。

 実践学園は前日、東京都1部リーグで関東一高と対戦。翌日の関東大会予選決勝を考慮し、出場時間を調整したようだが、鈴木は90分間フル出場している。体力的に難しい面があったようだが、「インターハイも夏の連戦もあるのでこのくらいは戦っていかないと」という鈴木はストロングポイントを発揮し、よく戦っていた。

 内田尊久監督はその鈴木について、「アイツだけ昨日フルタイム出て、キツかったと思うんですけれども、その中でも彼の役割ははっきりしていたので、あそこで負けたら勝負にならないよというところで、(特に前半は)ウチが大事にしている競り合いのところで彼は勝てていた」と評価する。

 だが、鈴木は「競り合いのところで勝っていた感覚はありますけれども、何本か負けているところがあったし、最終的に2失点目9番(ンワディケ)にやられているので」と首を振る。また、正確なフィードを配球していたが、本人は縦パスを差せなかったことを反省していた。

 鈴木はステップワークの部分などが自身の課題になっていることを明かす。この日のンワディケは得意とするタイプのFWだったが、スピード、テクニックを武器とするアタッカーを個で封じ込むDFにならなければならない。

 まだまだ足りない部分があることは確か。だが、そのサイズ感と強さ、高さ、キックは魅力。自分自身の今後にも期待を抱いている。「この関東(予選)通して、東京だと自分ではやれると感じているので、あとインターハイ、選手権で全国出て、自分がどれだけ通用するか知りたいですし、関東もそれぞれの大会で勝ち上がったチームが来ると思うので、その相手に対してどれだけ自分がやるかというのは楽しみなところでもある」と語った。

 憧れの選手として「キャプテンでリーダーシップがあって最前線で戦っている」CB吉田麻也(シャルケ)の名を挙げる。目標の東京制覇に届かなかったチームを主将として引き締め、今後東京で勝ち続けるチーム、全国で戦えるチームに変えていかなければならない。

「去年のキャプテンの百瀬(健、現国士舘大)みたいな、声で引っ張るような、あとはプレーで後ろでコイツが守っているから大丈夫だなというくらいのキャプテンシーがあるような選手になっていきたい」。関東大会予選、都1部リーグと失点が続いている課題を改善することもノルマの一つ。大学経由でプロ入りを狙う大型CBが、残りの東京全タイトル奪取と全国4強、リーグ昇格という実践学園の目標実現へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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