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意識高い取り組みでサイド攻撃の中心に。実践学園のレフティーFW関根宏斗はドリブルも、ゴールも

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実践学園高FW関根宏斗(3年=鹿島ジュニアユース出身)は1対2でも突破し、ゴールを決めるアタッカーへ

[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 修徳高 2-1 実践学園高 駒沢2]

 実践学園高は東京2位に。1-2で競り負けた決勝後、内田尊久監督は「(敗因は)自分たちの甘さです」と指摘していた。球際で競り負けたこと、セルフジャッジで対応が遅れたことがそれぞれ失点の原因。特に大事にしてきた球際、切り替えの部分で相手に上回れてしまったことが、自分たちを目標のタイトルから遠ざけた。

 一方で、今年の実践学園の方向性、実力も示す関東大会予選となった。CB鈴木嘉人主将(3年)は、「昨シーズンは堅守速攻をやっていたけれど、今シーズンは支配率を高めて自分たちのサッカーをしようと。(以前ならば)ゴールキック蹴って競り合うところをゴールエリアの中にCB2人入ってビルドアップというところは、この関東大会を通してちょっとずつやれているという感覚はある」と説明する。

 中でも、対戦相手を苦しめたのがサイド攻撃だ。右のFW関根宏斗(3年)、左のFW松田昊輝(3年)の突破力は今年のストロングポイントでもある。松田はこの日も相手の前に潜り込む動きでチャンスに絡み、1ゴール。一方、準決勝で抜群の活躍を見せた関根は、決勝でもそのキレを活かしてチャンスを生み出そうとしたが、警戒されて悔しい内容となった。

「大学生とやっても割りとやれる自信とかあるんですけれども、高校生でも2枚となるとなかなかやれないので、そこは足りないです」(関根)。この日は相手が距離を縮めて来る中で仕掛け、追撃弾の起点にもなった。その一方、なかなか突破できず、オフ・ザ・ボールで裏を取る動きも不足。関根は、準決勝を含めて得点できていないことも課題に挙げていた。

「点取れていないので。ドリブル怖くても点を取れないと……。余裕ある時はシュート練習もしているんですけれども、基本ドリブル練習だけになっちゃっているのも決め切れない理由の一つ」。左足キックに自信を持っているだけに、ドリブルで相手を圧倒し、シュートを決めるサイドアタッカーを目指していく。

 関根は昨年のインターハイ予選まで先発だったが、その後サブに。自分の代を迎える上で危機感を感じていたレフティーはパーソナルトレーナーを自ら探し、自分の動きを分析、課題改善に取り組んできた。

「(パーソナルトレーナーは)インスタで見つけて。自分は身体能力とか劣っている部分があるので何とかしたくて」と関根。スプリントの局面で使えていない筋肉を見つけてもらい、動作の改善をすることでドリブルのキレが増したという。「(昨年、先発を外れて)悔しかったんですけれども、自分の代へ向けて下を向かず取り組んできました」。その成果が少しずつ活躍に結びついてきている。

 自分たちが目標とする東京の全タイトル奪取、全国4強、リーグ戦昇格を成し遂げるためには、関根や松田がどんなDFを剥がし切る力を身に着けなければならない。関根は昨年の國學院久我山高のスーパーエース、日本高校選抜FW塩貝健人(現慶應義塾大)のような存在になることが目標。そして、「一人一人まだ意識の甘さだったり、練習の強度や一人一人の意識が変わってくるといいと思うので、自分からやって周りも巻き込んでいきたい」と誓った。関東大会予選での活躍で満足感はしていない。先頭に立ってチームの意識を変え、結果を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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