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[MOM4282]湘南工科大附DF國廣凜太郎 (3年)_交代出場の左SBが後半終了間際にスーパーゴール!指揮官はFW転向のススメ

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後半40+3分、湘南工科大附高の左SB國廣凜太郎(3年=湘南ベルマーレU-15WEST出身)が左足で劇的な同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.6 関東高校大会神奈川県予選準決勝 湘南工科大附高 3-3(PK6-5)東海大相模高 レモンS]

 交代出場の左SBが、“まるでストライカー”のような活躍でチームを救った。2-3の後半40+3分、湘南工科大附高はセットプレーの流れから右クロス。これは跳ね返されたものの、PA外側で構えていたDF國廣凜太郎(3年=湘南ベルマーレU-15WEST出身)が左足ダイレクトでボールを叩く。

「途中から入って負けている状況の中で、『自分がどうにかしないと』という気持ちがあった。あそこにいればボールがこぼれて来るなと思っていて、来た時に『本当に来た』と思って、あとは思い切り振り切ったら入りました」

 セカンドボールは体の右側に飛んで来ていた。右足で狙うようなボールだったが、背番号13は立ち位置、体の向きを変えて利き足の左足シュートを選択。アウトにかかった一撃はゴール左隅に突き刺さった。

「自分も(右足で蹴るか)迷ったんですけれども、利き足が左なので、それなら左で思い切ってやり切った方が後悔ないのかなと。とりあえず当てて枠に入れることしかなかったので、アウトに掛かってくれたのは良かった。僕は元々シュートがちょっと得意というのがあるので、活かされたかなというのがあります」。スタンドで大応援を繰り広げていたチームメートに歓喜をもたらした。

「3年ぶりとかに観衆が入った中でやって、自分もこの舞台で見てきた側なので、ここに立って、点を決めて、みんなで喜べることって凄いので気持ちが上がって、爆発しました」。チームを救った左SBは、延長後半終了間際にも体力の落ちた相手DFの意表を突くドリブル突破からビッグチャンスを演出。室井雅志監督は國廣にFW転向を勧めていることを明かしてくれた。

「アイツは左SBなんですけれども、『オマエ、ストライカーじゃねえ?』と。でも、アイツは「(自分は)左SBです」と。SBとしてはまだまだ身体能力を鍛えないと、対人のところはちょっと弱いので。でも凄い努力はするし、キックは凄く良いので。その良さがあの時間帯で出た。ああいうのは今までも見ている」。指揮官のコメントにもあったように、本人は左SBとしてレギュラーを目指している。

「自分は左利きという特長もあるので、そこでやっぱり湘工(のAチーム)で左利き僕しか無いので、そこを活かして頑張っていきたい。後ろからでも点は取れるんで、後ろからでも取れるSBになりたい」

 指揮官も認める努力家。この日は後半31分からの出場だったが、努力で先を行く選手たちを追い越す意気込みだ。「自分は出れていない立場なので、出れている人を越さないといけないですし、その上にはもっと上手い選手たちがいるので、その選手たちに絶対に負けないように絶対に努力しないといけないと思って毎日やっています」。この日の活躍、公式戦初ゴールが自信になったことは間違いない。

「サッカーは楽しまなければいけないと思っているので、そこの楽しむ部分と自信を持ってやる部分がきょうできました」。今後に向けて「明日(7日)決勝もありますし、関東大会もあるので、そこのためにもう一度チームで一丸となって戦って、関東大会までにはもう少し時間があるのでチームで練習して関東大会で優勝できるように頑張ります」と誓った。個人としても成長し、またピッチの上で勝利を喜ぶ。



(取材・文 吉田太郎)

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