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日大藤沢が4大会連続で関東大会へ。攻撃のリズム出た後半にセットプレー2発で逆転勝ち:神奈川

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後半31分、日大藤沢高FW会津恒毅が決勝ゴール

[5.6 関東高校大会神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 2-1 厚木北高 レモンS]

 令和5年度 第66回 関東高校サッカー大会 神奈川県2次予選準決勝が6日に行われ、日大藤沢高が2-1で厚木北高に勝利。4大会連続(20年大会は中止)の関東大会出場を決めた。

 日大藤沢は公立校の厚木北に苦しみながらも勝ち切った。風下の前半はシュート数7-0だったが、スコアは0-1。MF佐藤春斗主将(3年)と22年U-15日本代表候補のMF布施克真(2年)、昨年から10番を背負うMF安場壮志朗(3年)を中心にボールを保持して押し込み、シュートチャンスを作ったが、全体的に攻撃が単調でGK大橋陽翔(3年)を中心に集中力高く守る厚木北の守りをこじ開けることができない。

 逆に相手右SB大坪一輝(3年)のCKの対応でミスが出て、前半27分にオウンゴールで失点。その後も「良い守備から良い攻撃ということでやっていた」(渡邊浄仁監督)という厚木北にカウンターに持ち込まれるシーンがあった。

 日大藤沢のボランチ・佐藤は、「前半のうちに相手に先制点を取られて自分たちがやりたいボールを保持するサッカーがあまりできない中だったんですけれども、リーグ戦でも、トーナメントの一個前の試合とかでも苦しい試合を乗り越えられてきたので、そこは自分たちを信じて、前の人たちを信じながらやっていました」と振り返る。

 その日大藤沢は、風上に立った後半に試合をひっくり返した。4分、MF諸墨清平(3年)の左足ミドルがクロスバーをヒット。6分にはFW山上大智(3年)が諸墨の左CKに勢いを持って飛び込み、右足ダイレクトで同点ゴールを挙げた。

 日大藤沢は前半に比べてDF背後への動きが増加。相手の守りを広げ、U-17日本高校選抜候補の注目レフティー、CB宮崎達也(3年)からトップ下の安場へグラウンダーの縦パスが入る。揺さぶり続けて「中、外で行けた」(佐藤輝勝監督)日大藤沢は、注目左SB尾野優日(3年)の決定的なクロスに布施が飛び込み、佐藤の左足ミドルが枠を捉える。

 攻撃のリズムが出た日大藤沢は、ダブルボランチの一角を務めた布施が存在感のある動き。コンビを組む佐藤のサポートを受けた布施は、様々な局面に現れて攻撃に係わり、ボール奪取の部分でも貢献度高い動きを見せていた。加えて、キープ力に秀でた安場や左サイドで攻撃参加を繰り返す尾野が厚木北にプレッシャーをかける。

 だが、厚木北はGK大橋のビッグセーブや、CB吉田太陽(3年)のシュートブロックなどで対抗。1年生CB木村志夢も相手の強力攻撃陣に食い下がる。守備網に入ってきた相手選手を挟み込んでボールを奪い、10番MF中山大志(3年)や左SB小野銀生(3年)がカウンター攻撃に結びつけようとしていた。

 厚木北の健闘が続いたが、日大藤沢が再びセットプレーからゴールをこじ開ける。後半31分、宮崎の左CKから最後はFW会津恒毅(3年)が左足シュートをねじ込んで決勝点。佐藤監督は「難しいゲームになりましたけれども、勝ち切れるチームになってきた。(上手くいかない試合でも)勝ち切れるチームになっていくことは大事なことで、彼らは求めているところ」と勝ち切ったことを評価していた。

 まだまだ歯車が噛み合っていない部分があるものの、止める・蹴るへのこだわりはこれまでと変わらない。佐藤監督は「チームの失点とか嫌なところに向き合うのはウチのよいところなのでブラッシュアップしていく」。質、結果の両方を求め、今年、目標の日本一に再チャレンジする。

 佐藤主将は「森重(陽介、現清水)とかアッパ(勇輝、現明治大)とか昨年あれだけレベルの高い個がいても達成できないのが日本一というところだと思うし、今年は去年と比べて今の時期だと良いサッカーができていると思うので、ここから個人もチームも伸ばしていければ自ずと見えてくるところは日本一があるんじゃないかと思います。伸びしろも含めれば十分に狙えるチームじゃないかと思います」と語った。関東大会予選は決勝で湘南工科大附高に敗れて準優勝。練習や成長の場となる関東大会、リーグ戦を通して守備やセットプレーも改善し、頂点を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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