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帝京三は下で勝負。攻守でボールに係わり続ける158cmの10番MF櫻井元舟「自分たちはまだまだ」

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帝京三高の10番MF櫻井元舟(3年=フレンドリージュニアユース出身)がCKを蹴り込む

[5.12 関東大会山梨県予選決勝 山梨学院高 3-1 帝京三高]

 帝京三高の10番MF櫻井元舟(3年=フレンドリージュニアユース出身)は1-3で敗れた決勝後、「結果的には負けてしまったんですけれども、自分たちのペースで前後半続けられたら学院さんにも良い戦いができると思います」とコメント。そして、「(最近は)全然選手権もインターハイも出れていないので、自分たちの代であと2つ勝てたら良い」と力を込めた。

 立ち上がりから158cmと小柄なMFが存在感のある動きを見せていた。チームでは守備的な役割を担うため、「セカンドボールは絶対に取らないといけないので予測しながらやっていました」。加えて、攻撃面でも中央、サイドの局面に顔を出してボールに係わり続けていた。

 前半28分、右サイドからのCKで同点ゴールをアシスト。直後には右中間から斜めのスルーパスを通して決定機を演出した。「前でボールを持った時は注目して欲しいです」というように、本来は攻撃的なプレーヤー。同じフレンドリージュニアユース(東京)出身のMF辻友翔(3年)やMF保坂璃夢(3年)とともにパスワークの精度を加え、流れの中でハイサイドへ飛び出してクロスを上げ切るシーンもあった。

 帝京三は同点に追いついた以降の時間帯など、「自分たちは身長や体格は自信がないので、下でボールを動かしながらというスタイル」(櫻井)を良く表現していた。山梨学院の強烈なプレッシングに対し、相手を見ながら長短のパスでボールを前進。櫻井はその“心臓役”になっていた。

 だが、「きょうはパスミスとかあったので、自分のところでロストしたりもあったので、課題かなと思います」と反省。また、チームは後半に足が止まり、相手にバイタルエリアを使われる形で突き放されてしまった。
 
 山梨学院は翌日にプリンスリーグ関東2部の試合を控えていたため、この日はサブ組が中心のメンバー構成。勝たなければならない試合だった。櫻井は「自分たちはまだまだだと思う。そこでしっかりと力をつけて、学院さんがトップ出してきた時に良い戦いがしたい」と誓う。相良和弘監督も指摘したように、ポジショニングやパスの精度だけでなく、チームとして走る意識を高めて目指すサッカーを表現していく。

 櫻井は昨年から出場機会を増やし、今年は強豪校の10番。「今年、10番という番号をもらえて光栄ですし、その番号に恥じないようなプレーをしたいと思います」。今年は攻撃陣中心に力のある世代。小柄な10番はその責任感も持ってプレーし、白星に貢献して夏冬の全国大会のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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