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[MOM4343]東山DF上山泰智(1年)_昨年のクラセンU-15MVP。堅守と決勝弾の1年生は「誰が見ても目立つような」CBに

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決勝点を決めた東山高CB上山泰智(1年=C大阪U-15出身)は福重監督も認めるMOM

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.24 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第8節 東山高 2-1 G大阪ユース 東山高等学校総合グラウンド]

「上手いと思いましたし、嫌なところを突いてくるので集中してやれたと思います」

 東山高CB上山泰智(1年=C大阪U-15出身)は、強敵・G大阪ユースに競り勝った試合後、冷静に振り返った。立ち上がりから相手にボールを握られる時間が増加。パス、ドリブルによる崩しに対応し、背後へ抜けてくる選手を捕まえなければならなかった。

 気温30度近い暑さに加え、重圧もあったはずだが、1年生DFは「セレッソから東山高校に来て、(対G大阪を)意識するところもありましたけれども、東山のチームとして精一杯やることができました。チームとしても終盤に失点することが多かったので、そこを集中するように自分でも意識していました」と平然とコメント。メンタリティ、体力面の強さも発揮し、“ライバル”からの白星を勝ち取った。

 この日は攻撃面でもヒーローになった。1-1に追いつかれた直後の前半38分、左ロングスローをCB海老原雅音(3年)がそらす。これをファーの上山が頭でゴールへ押し込んだ。

「優しくてコミュニケーションも取りやすいし、ちゃんと裏抜けたらお互い言い合ってマークもしっかり言い合えて良い関係でできている」という海老原とのコンビネーションを攻撃面でも発揮。「良いところにボール来たので、触るだけというか、イメージ通りに決めることができました」という一撃が決勝点になった。

 C大阪U-15のCBとして、昨年の日本クラブユース選手権(U-15)大会日本一を獲得。全8試合で先発フル出場し、決勝でヘディングシュートも決めた上山は大会MVPを獲得している。U-14エリートプログラムにも選出された経歴を持つが、「取った後のパスが繋げなかったり、そういうところがあった」とU-18チーム昇格ならず。ただし、選手権準優勝校の東山へ前向きな気持ちで進学し、そこで競り合いの強さなどを磨くことができている。

 福重良一監督は「僕の中でひ弱な部分あったけれど、メンタル面と彼は日本一を経験していますから。そういう経験値が誰よりもある。(昨年度の選手権優秀選手のDF)志津(正剛、3年)に近いくらいのメンタリティを持っているので期待はしていましたね。まだまだですけれども」。コミュニケーションも取れる1年生は先輩たちの中で積極的に発言。期待に応え、チームを勝たせる活躍を見せている。

 誰が見ても目立つCBになることが目標だ。「誰が見ても目立つような。CBで点を決められるとかロングスローやCKでしかないんで、1個のチャンスで後悔しないように決めれる選手になって全部守れるような、(アイツは)全部一人でやるんだよ、みたいな強いCBになりたいです」。昨年度の主将・DF新谷陸斗(現明治大)と同じC大阪U-15出身。先輩のようなサッカーIQ、リーダーシップ、人間性を身に着け、守備の粘り強さやビルドアップ、ロングキックの正確性も高める意気込みだ。野心を持つ1年生DFは、今夏のインターハイで活躍し、その名を少しでも全国に広める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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