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[MOM4344]米子北FW鈴木颯人(2年)_10番不在のチームを牽引。怖さ示したFWが求める結果

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怖さのある動きを見せた米子北高FW鈴木颯人(2年=前橋FC出身)。右足を振り抜く

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.25 高円宮杯プレミアリーグWEST第9節 米子北高 0-0 東福岡高 どらドラパーク米子陸上競技場]

 課題のシュートを決めきれなかったことは確か。米子北高FW鈴木颯人(2年=前橋FC出身)は「ゴール前での冷静さがまだ足りない」と首を振る。だが、2年生FWは守備でのハードワークを含め、相手にとって嫌な存在になり続けていた。

 準優勝に終わった中国高校大会の反省点はゴールに向かっていけなかったことだという。だからこそ、「いつもよりゴールに向かおうと意識していた」。その鈴木は「まずは裏を狙ってCBを壊す」ことを狙い、ロングボールからゴールへ向かった。

 CB2人の間を抜け出すことにチャレンジ。また、身体の使い方が上手いFWは飛び込んでくるDFを巧みに攻略する。競り合いでの強度も発揮し、DFのマークを外して前進。そして、難しい体勢からでもシュートを打ち切った。相手を押し込む要因となったFWは後半開始直後にターンから右足シュート。そして、後半37分には左サイドを抜け出すと、ゴール方向への仕掛けから右足を強振した。

 決まったかと思われた一撃は右ポストを叩き、ゴールラインの外側に跳ね返った。「(DFと1対1だったので、抜くというよりズラして打とうと考えていたのですが、最後はポストに当たってしまったので申し訳ない気持ちでいっぱい。かわすところまではイメージ通りだったのですが、少しアウトにかかっていた」。この日、一際目立つ動きを見せたが、無得点に終わったことを悔しがった。

「(チャンスを作れたことは良かったが、)最後のシュートは課題ですね。自分はFWなので、決めることが仕事。前に運べても点を決めないと意味がないので、あまり評価していない」

 先輩FW森田尚人(3年)が負傷離脱中。「(森田が離脱し、)FWが不安定だとみんな思っていたと思う。そうした中、自分がやらないといけないという思いでやっている」。スピードのある森田のような抜け出しはできていないが、その分、競り合いやポストプレーで貢献中。シュートの課題を改善し、「尚人がいた方が良いですけど、尚人がいなくても自分がいる」と言い切れるようなFWになる。

 群馬の前橋FCから、監督同士の交流のある米子北へ進学。選手権に出たいという気持ちも強かった。群馬から遠く離れた土地で挑戦してきたFWは、1年強の期間での成長を実感しているようだ。

「泥臭さや前で身体を張ったりは(高校で)成長している。プロサッカー選手になるのが夢。まだまだですが、どんどん課題が出てくる。今日の試合でもたくさんあったので、一つひとつ改善していって、少しでもステップアップできるようにしていきたい」。よりこだわって成長すること。そして公式戦で活躍し、ステップアップする。

(取材・文 吉田太郎)
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