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[MOM4347]尚志DF高瀬大也(3年)_「最後はオレが」。自陣ゴール前で存在感放ち、マリノス封じ

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尚志高CB高瀬大也(3年=武南ジュニアユースFC出身)が好守を連発。強敵相手の無失点と勝点1獲得に貢献した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.1 高円宮杯プレミアリーグEAST第10節 横浜FMユース 0-0 尚志高 保土ケ谷]

 試合終盤、尚志高の背番号3は2人分守っているような動き。仲村浩二監督も「凄かった。びっくりしました」と評価するプレーだった。3位・尚志はU-17日本高校選抜CB市川和弥(3年)が怪我でベンチスタートとなったが、強敵・横浜FMユースのアウェー戦でCB高瀬大也(3年=武南ジュニアユースFC出身)が存在感。1対1、跳ね返しと相手の攻撃を次々とゴール前で食い止め、無失点で90分間を終えた。

 横浜FMユースからなかなかボールを奪うことができず、前半は「ずっと走らされて苦しかった」。後半は入り良く試合を進めたものの、相手の切り替えの速い守備の前にビルドアップで苦戦したこともあり、守備の時間は再び増えていった。

 その中で高瀬は、「最後、自分が守れば負けることはないので、そこだけ常に意識して、苦しい時に声を掛けて、雰囲気が崩れないように意識していました」。反対サイドからクロスを幾度も上げられていたが、右CB高瀬は集中した対応。通れば1点というパスに身体を投げ出して触るなど、ゴールを絶対に守るという責任感を表現していた。

 普段から意識していることは自分がやられたら、負けるということ。「(市川が不在だったが、渡邉)優空とはいつもやっていますし、不安はなくて、いつも通りやろうと思っていた。前線の選手には最後、オレがいると思ってもらえるように、最後存在感を出せるようにしようと思っている。きょうは最後、自分が身体を張ってゴールを防げたので、そこは良かったかなと思います」。コンビを組んだCB渡邉優空主将(3年)やGK角田隆太朗(3年)とサポートしあいながらの90分間。渡邉から「助けられた」と感謝される動きによって、ゼロで乗り切った。

 普段以上に集中していたことを仲村監督から評価されていたが、本人は「日頃、(集中力を不足していると)そう思われているので改善したい」と微笑む。高瀬は1年時から選手権メンバー入り。昨年、仲村監督率いる日本高校選抜のサポートメンバーも抜擢されているDFだ。

 ただし、「色々と良い経験をさせてもらっているけれど、1、2年の頃は全然尚志に貢献できずにいた」。昨年までは自分のプレーに迷いもあったという。だが、今年は自信を持って自分を表現。先発に定着し、市川や渡邉とともに最終ラインで堅い砦を築いている。

 尚志の3年生はMF安齋悠人(3年)やMF神田拓人(3年)が年代別日本代表合宿、海外遠征、U-17日本高校選抜を経験。高瀬は「自分も行きたいという気持ちが強くなった。行った選手に代表のCBがどういうプレーか聞いて、自分がどのようなことが足りないのか勉強しています。自分とか波があるんですけれども、代表の選手は常に一定の高いレベルでプレーできる。自分も調子が良い時は代表の選手に負けているという意識はないんですけれども、そこで常に同じプレーできる、ということが自分の課題だと思っています」。指揮官にも指摘されているプレーの波を減らせば、自分の将来の可能性を広げることもできる。

 身長は180cm弱だが、対人守備やクロス対応で強さを発揮。この日、ロングキック一本でエースFW網代陽勇(3年)の決定機を演出したフィードも大きな特長だ。「インターハイで自分のプレーが徹底できれば優勝も見えてくるし、そうすれば代表も見えてくると思うので、まずはチームの勝利ができるようにしたい」。プレミアリーグ中断前最後の一戦となる次節(対柏U-18、9日)、そして1日に組み合わせの決まったインターハイとコンスタントに力を発揮し、チームの勝利に貢献し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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