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前橋育英の中盤で好プレー続けるMF篠崎遥斗、最後の「大きな差」を埋めてインハイ連覇に挑戦

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前橋育英高のMF篠崎遥斗(3年=クマガヤサッカースポーツクラブ出身)が鋭くPAへ侵入する

[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第11節 前橋育英高 1-2 青森山田高 前橋育英高校高崎G]

「最後、大きな差がありました」。前橋育英高のMF篠崎遥斗(3年=クマガヤサッカースポーツクラブ出身)は、プレミアリーグEAST首位・青森山田高との好勝負後、自分たちとの差があったことを認めていた。

 序盤は相手の圧力を警戒してシンプルな戦い。セットプレーの流れから左SB立木堯斗(2年)のゴールで先制し、その後はボールを保持する時間を伸ばした。随所で前橋育英らしいテンポの良いパスワーク。その中心となったのが背番号30のボランチだ。今季開幕直前に復帰した篠崎だが、これまで同様の存在感ある動き。中盤中央でコンビを組むMF石井陽(2年)とともに運動量を増やし、攻守両面でボールに係わり続けていた。

 クマガヤサッカースポーツクラブ時代のチームメートである青森山田MF川原良介(3年)からも「上手かったですね。そこにちょっとフィジカルの部分だったりがついてきたりしていて、結構厄介でした」と評されるプレーをしていた。

 そして、前半には身体を投げ出して相手の決定機を阻止。後半にもスラディングタックルでボールを奪い取るシーンがあった。「(山田耕介)監督にも最後の身体を張る部分だったりは言われているので、CBの2人に任せるんじゃなくて自分が絶対に止めるという気持ちでやっていました」。前橋育英はDF陣だけでなく、中盤、前線の選手も集中した守備。だが、後半は再三チャンスを作りながら2点目を奪うことができず、逆にセットプレー、クロスで2点を奪われた。

 篠崎は「自分たちは決定機を作りながらも決めきれないところだったり、でも相手はそういうところしっかり決めるところだったり、相手は身体を張っているのに自分たちは競り合いに負けて失点してしまったり、そういうところの差を感じました」と悔しがる。先月の登録変更で力のある1、2年生たちが昇格。その選手たちを含めて全員が、「もっとやらないといけない」と篠崎は語っていた。

 山田監督から言われてきたことの一つが準備について。篠崎は「主に自分は(開幕直前まで)怪我していたので身体のケアを重点的にやったり、あとは試合への持って行き方やモチベーションを高めるようにしています」と説明する。

 毎週、リーグ戦へ向けて万全の準備。そして、好パフォーマンスを続けている。その上で「課題に感じている部分は細かいミスだったり、細部のところにもっとこだわらないと点を取れないですし、前のサトコウ(FW 佐藤耕太、2年)だけに任せるんじゃなくて連係からも取りたいので縦パスとかも入れていきたいです」。チームはリーグ戦3連敗で中断期間へ。篠崎はより、ゴール、勝利にこだわっていく考えだ。

 前回王者として戦うインターハイは7月30日の2回戦が初戦。「プレッシャーは少しありますけれども、そのプレッシャーを跳ね除けるような、自分たちの強みを出して、優勝したいです」。試合後、前橋育英の選手たちはインターハイ決勝で青森山田にリベンジすることを確認。この日出た「最後の大きな差」を少しでも埋め、再戦まで勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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