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[MOM4359]興國MF水野凪斗(1年)_深い切り返しで難敵を翻弄。新指揮官も「凄く面白い」と評価

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興國高(大阪)MF水野凪斗(1年=FCフレスカ神戸出身)は先制点をもたらすなど強豪対決で躍動

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.25 NBC in 堺ユースフェス準決勝 興國高 3-0 阪南大高 J-GREEN堺]

 徳島などで活躍した六車拓也新監督が、「頭の中が凄く面白い」と評する1年生アタッカーだ。興國高(大阪)MF水野凪斗(1年=FCフレスカ神戸出身)はインターハイ予選前にAチームへ昇格し、公式戦も経験。この日は、MF國武勇斗(3年)が内定先の奈良へ練習参加中だったこともあり、シャドーの位置で先発した。そして、攻撃力を発揮。今季公式戦2敗の阪南大高(大阪)を破る原動力になった。

 相手の急所を見つける目や非常に深い切り返しで相手DFを翻弄。前半4分、タイミング良く右中間へ抜け出すと、DFを外側から外して右足を振り抜く。ボールはファーサイドのポストを叩いたものの、跳ね返りがDFに当たってゴールイン。「自分の得点ではないのでちゃんと決め切りたいです」と悔しがったものの、貴重な先制点となった。
 
 阪南大高には今季、2連敗。その試合には出ていなかっただけに「(自分が出て)勝ちたいという気持ちだった」。積極的にボールを引き出す1年生は10分にも深い切り返しでDFを外し、決定的な左足シュート。後半も柔らかいタッチと推進力を駆使してゴールを目指すなど、存在感のある動きを見せた。

 その水野は、鹿島学園高(茨城)との決勝でも鋭い切り返しでDFを外して右足で追撃ゴール。「準決勝でもあそこで抜けていたので瞬時に打とうと思ったけれど、もう一回持ってみようと。一回、キックフェイントしたんですけれども、相手もついてきていたので、もう一回右に行って打った」。その後も絶妙なパスや抜け出しで攻撃を引っ張り、ポスト直撃の右足ミドルも放った。

 準決勝、決勝のパフォーマンスについては「自分でもビックリしました」。同時に、「自分的にはまだ全然何もできなかったというのがあって、一つだけのプレーみたいのが多いので続けていけるようにしたい」と課題改善を掲げていた。

 水野は4月の「関西 U-16 ~Groeien~」開幕戦からしなやかな身のこなしやダイナミックな抜け出しなど能力の高さを示していた。ドリブル、シュート、守備もまだ「自信はないです」と語るが、「興國に入って全体的にレベルが上がっていると思いますし、止めて蹴るとか、裏の抜け出しのタイミングとか個々の能力が上がっていると思います」と成長を実感。まずは先輩たちを超えることが目標だ。

「このままやったら(今大会)抜けている選手たちに追いつけないと思っているので、毎日の練習で自分の持っている能力を伸ばしていきながら、欠けている部分を上手くなれるように練習していきたい」と宣言。高卒でプロになるために進学した興國で努力を重ね、評価と全国タイトルを獲得する。
 
(取材・文 吉田太郎)

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