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「責任」「誇り」「覚悟」「団結」「礼節」をテーマに挑戦。広島県高校選抜U-18がアジア3位のU-17ウズベキスタン代表を撃破!

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前半20分、FW新井悠河(瀬戸内高3年、中央)のゴールを喜ぶ広島県高校選抜U-18の選手たち

[8.8 Balcom BMW CUP第1節 広島県高校選抜U-18 2-0 U-17ウズベキスタン代表 広島広域公園第一球技場]

 広島県高校選抜がアジア4強のウズベキスタンを撃破。「HiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」が8日に開幕し、広島県高校選抜U-18が2-0でU-17ウズベキスタン代表を破った。

 広島県選抜は瀬戸内高広島皆実高を中心に、広島国際学院高広島観音高如水館高沼田高広島新庄高の高体連チームから計18選手を選出。実質トレーニングは3日間のみだったというが、「うち2日は攻撃のトレーニングばかり刷り込んで、どのスペースへ誰が走るか、そしてニアゾーン、ポケットの侵入はどうするのかミーティングしていたところが前半は何回か出ていた」(上田貴典監督、広島皆実高)。

 攻めて勝つことを目指して準備してきた広島県選抜は、MF渡部琉(広島皆実高3年)や右SB小田虎哲(瀬戸内高3年)の攻め上がりも活用し、効果的に相手DFの脇を狙った攻撃。対して、U17アジアカップメンバー中心のメンバー構成で来日したウズベキスタンも、MFミリザエフ・ラジズベクを軸とした攻撃でゴール前のシーンを作り出してくる。

 だが、広島県選抜は坂根秀(瀬戸内高3年)、渡辺浩史(瀬戸内高3年)の両CBが際のところで食い下がるなど健闘。0-0で試合を進めると20分、的確な守備対応を含めて好プレーを見せていた左SB金山颯汰(広島皆実高3年)が左オープンスペースへ絶妙なボールを入れる。

 これに走り込んだMF野見明輝(広島国際学院高3年)がPAへラストパス。狙い通りにニアゾーンを突いたFW新井悠河(瀬戸内高3年)が左足シュートをファーサイドへねじ込み、広島県選抜が先制した。

 新井は「あそこはチームでずっと練習していて、自分がニアに走るのは絶対条件だったので、ちゃんとボールを収めて点を決め切ることができたので良かった」。広島県選抜はさらに新井の右足ミドルや野見のカットインシュートで畳み掛けようとする。

 そして26分、MF國本純成(瀬戸内高3年)が左サイドから左足CK。DFのマークを外した10番FW岡本敬大(広島皆実高3年)が豪快なヘッドで決め、2-0と突き放した。後半は3人を入れ替えたウズベキスタンが主導権。1分にFWウルモンジョノフ・オイベクの左足シュートがポストを叩き、その後もボールを保持しながら広島県選抜を押し込む。

 広島県選抜も相手を引き付けながらショートカウンターで対抗。そして、サイドからの崩しや、ゲーム主将FW美藤慶音(瀬戸内高3年)の右足ミドルなどで攻め返す。後半は攻撃回数が減少し、シュート数は3-13。それでも、後半半ばから5バックへ移行して守る広島県選抜は、DF陣のシュートブロックやGK尼児琉仁(瀬戸内高3年)のファインセーブなどゴールを許さない。ピンチは多かったものの、全員で凌いで2-0で勝利。岡本は「自分たちのやることを団結してやれば戦えなくないと思っていたので、みんなで団結してできたことが良かった」と笑顔を見せた。

 広島県選抜の上田監督は「広島県の代表として責任を持つこと」「(選考会で落選した選手たちの分も)覚悟を持って取り組む」などを求め、「責任」「誇り」「覚悟」「団結」「礼節」の5つのテーマを掲げて活動。この大会が終わると、各選手は選手権切符を争うライバルになるが、真摯に5つのテーマに取り組み、目の前の強敵に立ち向かって結果も残した。

 この後、チームはU-17日本代表、広島ユースと対戦。国際試合で身体能力の高さを発揮した新井は、「代表の選手やユースの選手はもっと強いと思う。負けないようにフィジカル活かしてチームに貢献したい。(Balcom BMW CUPで)チームは優勝を目標にしていて、その中でも自分が点を取って勝ち切りたいと思っています。選手権では、今同じチームの人たちがライバルになるので、知っている部分とかをちゃんと潰して選手権は絶対に優勝したい」。 Balcom BMW CUPは、2006年に幕を開けた歴史のある大会。地元・広島の高体連選手たちは団結して白星を重ね、将来の飛躍に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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