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[MOM4406]大阪学院大高MF川井田昂信(1年)_初先発の1年生ドリブラーが独特の動きで躍動

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大阪学院大高MF川井田昂信(1年=伊丹FCジュニアユース出身)がドリブルでゴール前へ切れ込む

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.27 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第10節 近江高B 1-1 大阪学院大高 近江高校第2G]

 161cm、53kg。丸刈りの1年生ドリブラーが、初先発のピッチで躍動した。大阪学院大高(大阪)MF川井田昂信(1年=伊丹FCジュニアユース出身)が得意のドリブルに幾度もチャレンジ。対峙するDFを剥がしてゴール方向へ向かう1年生は、PAへ深く切れ込んだほか、ミドルシュート、ラストパスへ持ち込んでいた。

 この日の大阪学院はGKから徹底してボールを繋ぐ一方、ビルドアップを狙われて攻め込まれる時間も短くなかった。だが、左サイドの1年生にボールが入ると確実に前進。本人は「(身体が)弱いです」と首を振るが、簡単には競り負けず、上手く距離を取りながらドリブルを繰り出していた。

 時に低い位置で横へドリブル。味方が痛んでベンチから「切れ!切れ!」と声が飛ぶ中で3人、4人とかわして敵陣中央まで一人で持ち上がるシーンもあった。小野原明男監督は川井田について試合前から「(異質な感覚含めて)面白いですよ」と語っていたが、かなり独特のプレーを披露。指揮官はまだまだできないことが多いと指摘した一方、「1個奥までえぐれる。上手く相手の逆をつくとかドリブラーの感覚、緩急とかポテンシャルは凄いですね。(また、)シンドい時に頑張れる」と認めていた。

 エースFW堀口海嵐(3年)ら他のアタッカーたちに比べて警戒されていなかったこともあり、後半途中に交代するまで目立つ動きで攻撃の中心になっていた。試合後、川井田は「自信を持ってできました」と第一声。その一方で「1人目はかわせたところもあったんですけれども、2人目とかなかなかシュートを打てなかったりとか難しかったです」と満足していなかった。

 強豪・伊丹FCジュニアユース時代は波があり、「試合に出ていなかった」と振り返る。それでも、FWリオネル・メッシらを参考に細かなタッチのドリブル練習を継続。「中学卒業したらへんから自主練を多くして、(今でも)疲労度にもよるけれど1時間くらい友達とパスとか1対1とかやってきました」。大阪学院進学後、スピードも向上。飛び込んできた相手をかわすだけでなく、スピードでDFを外すこともできるようになってきている。

「(ドリブルの楽しさは) 相手の前に入って抜き去ることですね」と川井田。練習でもドリブルが止まらず、チーム内の立ち位置を変えて先発チャンスを掴んだ。早くも公式戦で先発を経験できていることについて「嬉しいです」と語るMFは、決める力やパスの精度も高めていく意気込みだ。

 目標は「プロ行きたいです。(ここからのシーズンで)点決めて全国行きたいです」。この日はDF2人に対応されて失うシーンがあり、得点に絡めた訳でもない。守備、戦術面…多くを学びながら個性を磨き、目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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