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[MOM4407]浜松開誠館MF森下太陽(2年)_ 今夏成長のボランチが強度と精度、“気づき”を発揮。代表入りへアピール

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浜松開誠館高MF森下太陽(2年=浜松開誠館中出身)は強度と精度を発揮し、U-17日本代表入りへアピール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.2 高円宮杯プリンスリーグ東海第10節 富士市立高 1-2 浜松開誠館高 富士市立高校G]

 U-17ワールドカップ(11月、インドネシア)を控えたU-17日本代表の廣山望コーチが視察する中、早生まれの2年生ボランチが印象的な動き。浜松開誠館高(静岡)の逆転勝ちに大きく貢献した。

 MF森下太陽(2年=浜松開誠館中出身)は特長である球際の強さとキック、そして今夏に成長したという状況判断する力を発揮した。テクニカルな選手の多い富士市立高に対し、簡単に飛び込むのではなく、状況に応じた守備。時に味方のサポートをして数的優位を作り出し、時にスペースを埋め、時にボールホルダーに鋭くアタックしてボールを奪い取る。瞬間的な速さと読みを活かしたカバーリングでもチームを助けていた。

 また、0-1の後半19分には、左サイド後方からのピンポイントクロスでエースFW菅原太一(3年)の同点ヘッドをアシスト。「相手がライン高くした瞬間に(菅原)太一君が見えたので、そこに速いボールで行けば相手よりも速く着くかなと思って」ストレート系のボールを蹴り込み、狙い通りにゴールをもたらした。

 このシーンを含め、相手の急所を見つける目と、そこへ正確にボールを配球する技術力も魅力。セットプレーで相手の準備ができる前にボールを蹴り入れ、決定機を創出するシーンもあった。

 元清水FWの青嶋文明監督が「この夏、一番伸びた一人ですね。少しずつ良い選手になってきている。国体行くんで、静岡が勝ち進むと名が売れるチャンスはあるんじゃないですかね」と認める才能だ。まだ甘さがあり、この日も集中力が切れかける時間帯があったことを指揮官は指摘。それでも、持ち直して試合終盤にかけて存在感を増した。

 森下も自身の成長を実感していた。「夏休み通じて成長してきたかなという実感があります。相手が今、どういう状況なのかとか、そこに気づけば、状況に応じて対応できるので、そういう気づくところの成長はできた」。元々攻撃的なMFは相手選手の特長を把握し、状況に応じた守備対応。“気づき”と自慢の強度も活かしてボールを奪い取っていた。

 森下はU-16静岡県選抜の一員として出場した国体予選で自分の特長を表現。代表スタッフから注目される一人になった。この日は廣山コーチの前でアピールに成功。「自分の年代の代表に入りたい。守備のところの球際と特長のキックの部分を見て欲しいです」。攻撃的なプレーヤーの多いU-17日本代表のボランチ陣とはまた異なるタイプ。先輩のU-17日本高校選抜DF八巻涼真主将(3年)らから学びながら「(人間的にも)成長している」と微笑むMFが、活躍を続けて初代表のチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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