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大津の選手から「凄え、あのGK」の声も。静岡学園のU-18日本代表GK中村圭佑はミスでの失点、敗戦に「実力不足」「しっかり意識高く」

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U-18日本代表GK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし出身)がシュートセーブ

[9.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第12節 静岡学園高 0-2 大津高 エスプラットフジスパーク]

 第3節で米子北高(鳥取)に1-3で敗れて以来、プレミアリーグWESTでは9戦ぶりの敗戦。首位・静岡学園高(静岡)はU-18日本代表FW神田奏真(3年)や10番MF高田優(3年)ら主力の多くを欠く試合で大津高(熊本)に敗れたが、選手たちは言い訳をしなかった。

 U-18日本代表GK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし)は、「全然やれている時間もあったので、自分たちの気持ちとか準備ができていれば、もっと良いプレーもできたと思う。けが人はいるけれどチャンスもあったし、勝てるチャンスもあった中で落としたのは自分たちの責任」と悔しがった。

 試合直後のミーティングでは、川口修監督から厳しい言葉があったという。中村は「(川口監督から指摘されたことは、)技術とか今までやってきたことを発揮できなかったから練習不足というか、実力不足。自分のキャッチミスも実力不足だし、前の選手もボール持てなかったし、ドリブルできなかったのも実力不足。きょうできなかったのは実力不足だから、もっと練習をしなければいけない」。この日、大活躍を見せていた守護神も自分の「実力不足」を認めていた。

 中村はこの日、立ち上がりに相手の日本高校選抜候補左SB田辺幸久(3年)の決定的なシュートをストップ。また、水戸内定MF碇明日麻(3年)のコースを突いた一撃もはじき出した。後半11分にもFW山下景司(2年)のループ気味な一撃に対し、身体をいっぱいに伸ばしてストップ。そして、26分には、山下の至近距離からのシュートを防いだ。

 このシュートはゴールキックの判定となったが、大津ベンチも中村自身も触ったと認めたビッグセーブ。大津の山城朋大監督によると、選手たちからは「凄え、あのGK」という声も挙がっていたという。中村の存在感の前にシュートを打ち切れないようなシーンも見られた。だが、静岡学園は0-2で敗戦。前半26分の失点は、相手のシュートに対してDFが足だけでブロックに行ってしまい、コースの変わったボールがゴール右隅に決まってしまった。

 中村は「練習から言っていたつもりだったけれど、(DFが相手に対して)面になっていたらああいうシュートは飛んで来なかったと思う」と指摘。また、後半42分のクロスからの失点は、「左SB(の田辺)が蹴ると分かっていたので狙っていたけれど、パンチングだったら行けたと思う。欲が出て取りに行っちゃった自分の判断ミス」。碇と競りながらの対応でキャッチできず、こぼれ球をゴールへ押し込まれてしまった。1点差で粘り続けていれば同点に持ち込む可能性があっただけに、川口監督も厳しい評価。中村は「来週からしっかり意識高くやっていきたい」と引き締めていた。

 大津戦で欠場、ベンチスタートだったメンバーのうち数人は次節戻って来る模様。この日ともにプレミアリーグ初出場で貴重な経験をしたMF宮嵜隆之介(3年)やMF天野太陽(2年)、また川口監督が「上手さが1年生では飛び抜けている。ミスをしない」と評するU-15日本代表候補MF山縣優翔(1年)らの中から競争を勝ち抜き、チャンスをモノにする選手が現れるか。出番を得た選手が磨いてきた武器を発揮し、勝って首位を守る。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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