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桐光学園の“心臓”MF小西碧波、ボールを取れるボランチの中でも「自分が一番に」

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インターハイ優秀選手、桐光学園高MF小西碧波(3年=シュートJrユースFC出身)

[9.3 高円宮杯プリンスリーグ関東2部 桐光学園高 7-0 西武台高 桐光学園高校G]

 インターハイでは大会優秀選手に選出。堅守・桐光学園高(神奈川)の“心臓”、MF小西碧波(3年=シュートJrユースFC出身)は全国舞台で評価を勝ち取った。

 得意とするのは守備。インターハイから自分が奪うことによりフォーカスしてプレーし、チームの結果に結びつけた。鋭い出足でボールを奪い切り、味方に預けて前線へスプリント。チームを鼓舞する声も光った。

 その小西は、プリンスリーグ関東2部再開初戦となったこの日も「セカンドボールの回収やライン際でハメ切る、潰し切ることは自分でも意識してやれていたので良かったと思います」という内容。ただし、満足はしていなかった。

「インターハイでやった(プレミアリーグ勢の)尚志とかに基準を合わせてやらないといけないと思うので、きょう切り替えのところで奪えないシーンも結構あったので、満足はしていないですね」

 元福岡MFの鈴木勝大監督も「やれることが少しずつ増えてきました。でも、自分が(味方選手に)回収させることもボランチだったら覚えないといけない」。自分のプレーに集中し過ぎると、周りに伝え切れないことがある。また、ボールを運んでスルーパスを通すことも本人は課題に挙げていた。

 個の力でボールを奪える希少なボランチ。その小西が意識している選手は同じ守備的なボランチの尚志MF神田拓人(3年)だ。神田は昨年度の選手権で評価を高め、U-18日本代表、U-19日本代表に選出。この夏は直接対決で勝利したが、小西は自分が追う立場にいることを理解している。

「同世代で神田拓人がいたりする中で自分が一番になりたいと思っているので、この冬で結果を残すということもそうですし、インターハイでそれなりに爪痕を残せたところはあると思うんですけれども、まだ代表に呼ばれるのは他の選手だったりするので、その時は悔しかったですし、まだまだやっていかないといけない部分がある。結果とかメディアの記事とか見て、自分はそこに対してシビアにやろうと思っています」

 神田のプレーを見て学んだことは、ポジショニングの良さとボール奪取力。だが、走力を活かしてアップダウンできる力は負けていない。鈴木監督が「ストロングポイントをしっかり発揮しなさいと言っている」というボランチは自分の強みを常に発揮しながら、できることを増やして一番のボランチになる。

 チームは昨年度の選手権予選準決勝で敗れ、同予選の決勝進出が7年連続でストップ。小西は桐光学園を再び向上させるためにエネルギーを持って戦ってきた。そして、夏は評価されるプレーをしたが、悔しい全国2位。桐光学園が日本一になれるように、個人の目標を達成できるように、ライバルたち以上の日々を過ごすつもりだ。

「自分が(桐光学園を)リードしていけるように。(松田)悠世や(齋藤)俊輔や(宮下)拓弥とか強烈なアタッカーはいますけれども、やっぱりチームを動かしているのは小西だと思ってもらえるような選手になっていきたい」。学業も全力のボランチ。個人、チームとしての目標を達成して桐光学園を卒業する。 

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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