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[関東ROOKIE LEAGUE]流経大柏が入れ替え戦圏内から7位へ浮上し、Aリーグ残留。GK丸山ジェフリーは「勝ちたいから」発し続けた声

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流通経済大柏高が最終節の勝利で7位に浮上し、Aリーグ残留

[9.9 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 流通経済大柏高 4-2 矢板中央高 時之栖うさぎ島G]

 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」Aリーグは9日、最終節を行い、流通経済大柏高(千葉)が4-2で矢板中央高(栃木)を破った。

 入れ替え戦圏内9位の流経大柏は、引き分け以上で8位浮上とAリーグ残留の決まる一戦。前半の3得点で難敵・矢板中央を突き放す。まずは4分、MF齋藤颯太のアシストからFW関渉が先制ゴール。幸先良くリードを奪った流経大柏は、2-4で敗れた日大藤沢高(神奈川)戦からの2週間の取り組みの成果を発揮する。

 FW大友悠生は「(日大藤沢戦で敗れてから)チームを引き締めて、『まとまりを持ってやろう』というところで、一体感を持ってみんな臨めたし、サイドからの攻撃をずっとやってきていて、それが活きた試合でもあるし、流経としてプレスを速くしたり、切り替えを意識したり、それが全員できていたので勝利に繋がった」と説明する。

 その大友が3得点の活躍。前半24分、MF野田虎太郎のパスから裏抜けしてゴールを破ると、45分には左SB増田大空のラストパスをファーサイドで押し込み、2点目を挙げる。

 矢板中央は後半、いずれもロングスローからMF橋野煌我とFW石澤侑真がゴール。1点差に詰め寄ったが、流経大柏は37分にMF島谷義進のクロスから大友が決めてハットトリックを達成した。

 矢板中央はFW平野巧やMF大澤悠舞、左SB高田翔太、CB永井健慎が次の1点を目指して攻め上がる。だが、流経大柏は186cmGK丸山ジェフリーが「CB2人(根本泰睦、可児良英)とも良かったと思います。決められた以外はシュートを打たれていないので。(みんな、)声はないけれど集中して、ゾーンに入っていた」というように、集中した守り。また、注目GK丸山は一際声を発し続けていた。

 最後方から声でチームを動かし、ピンチを未然に阻止。丸山は、「(声を発し続けている理由は、)勝ちたいからです。勝ちたいのに、声出さないなんてありえないじゃないですか。自分がやって欲しいから声を出す。それだけでした」。この日は課題が出て2失点。味方の好守に助けられたが、丸山も声でチームを支えて勝利に貢献した。

 丸山はFC習志野時代に多くの誘いを受けたが、流経大柏に練習参加した際に「(伊佐孝徳GKコーチのトレーニングと)先輩たちを見て、魅了されてしまって、『流経行くしか無い』と思ってきました」。憧れはエバートンの情熱的なGKジョーダン・ピックフォード。そして、超えなければならない存在と考えているのが、今年、流経大柏から流通経済大へ進学したU-19日本代表GKデューフエマニエル凛太朗だ。

「デューフさんを超えていかないといけない。デューフさんは2年から伸びていった。(結果が出ても)浮かれないようにしないと、置いて行かれてしまう。選手権優勝、高卒プロを目指しています」。跳躍力やスピード、キックの飛距離も強みの丸山は先輩超えにチャレンジ。チームは7位に浮上し、Aリーグ残留を果たしたが、ここで満足することなくチームメートとともにより上を目指す。

186cmの大型GK丸山ジェフリーは声を発し続けていた

執念の勝利

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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