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[関東ROOKIE LEAGUE]「チームとして成長できた」前橋育英は4位。兄と同じ道へ進んだMF徳永悠は信頼される選手、選手権で活躍する選手に

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前橋育英高は4位。兄と同じ道へ進んだMF徳永悠は「2年後に選手権で活躍できるような選手になりたいです」

[9.9 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 桐光学園高 0-1 前橋育英高 時之栖うさぎ島G]

 9日、関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」Aリーグ最終節が行われ、前橋育英高(群馬)が桐光学園高に1-0で勝利。4位でリーグ戦を終えた。

 最近4試合で2勝2分と順位を上げてきた前橋育英だが、この日の試合開始前に4位以下が確定。U-16全国大会出場の可能性が消滅したことで難しい試合となったが、「出ていた選手たちが声を掛けながらハードワークしてできていたのはとても良かったです」(MF徳永悠)。出場機会の少なかった選手も奮闘するなど、白星を勝ち取った。

 前橋育英はDFラインで横にボールを動かし、焦らず攻め直しながらボールを前進させる。引いて受けるMF瀧口眞大の展開や180cmFW山西智也のパワフルな動き、右SB坪井蒼季、左SB鯨岡廣世の攻め上がりなども活用しながら相手ゴールに迫った。

 一方、桐光学園はCB田中智也が声で引き締め、左SB陶山響が的確なカバーリングを見せるなど前半は0-0を維持。MF地頭薗泰斗の縦パスなど奪ったボールを速く正確に繋いで攻め返していた。だが、前橋育英は後半10分、FW田村裕希がドリブルからロングシュートを決めて先制。桐光学園もMF佐藤凜弥の鋭いドリブルや、交代出場CB川谷駿斗のインターセプトからの攻め上がりなどで反撃。だが、前橋育英が守り切り、1-0で勝利した。

 前橋育英はシーズン中盤に2連敗も経験。そこから立て直して4位に食い込んだ。チームリーダーの徳永は、「チームとして勝てない期間とか、失点が減らない期間があった中、アップとか、私生活とか、そういう部分からサッカーに対してもっと意識を上げて行こうというのがありました。サッカーで言うと、守備からやっていこうという意識でどんどん失点も減ってきたので、ルーキーを通してチームとして成長できたことは感じました」とチームの成長を実感していた。

 徳永はこの日出番がなかったが、7月以降ボランチに入り、好調なチームをコントロール。「最初出れていなかったんですけれども、スピード感に慣れて自分の強みを出せたんで。自分も個がない分、人を使ってとかで崩していくタイプなので、そういう面では育英らしいサッカーができたと思います。(また、際立った特長がなくても、)走る部分やハードワークする部分でチームに貢献できると思うので、戦う部分や闘志むき出しにしてやるところは良かったです」と振り返る。

 兄は前橋育英の昨年度の主将で、現U-19日本代表MF徳永涼(筑波大)だ。下級生時からボランチのレギュラーを務め、昨年はインターハイで日本一。千葉U-15から進路を決める際、兄と同じ道を選んだ。

「兄の影響もあるんですけれども、育英入った理由は(山田耕介)監督の人間力という指導の下で自分も寮生活なんですけれども、そこに身を置いて、自立する、人として成長したいというところと、あとはサッカー面で絶対にボランチで良い選手が集まると思うので、自分もそこで勝ち抜いて最終的に選手権で自分が出られるように、良い仲間たちとサッカーがしたいというところがありました」

 3年間、「徳永涼の弟」と言われることは覚悟の上。「入る前、少なからずプレッシャーは感じていたんですけれども、それを超えてやろうという気持ちは持っていたので。入ったら絶対に言われるんですよ。でも、それに負けずに、逆にそれをモチベーションにしていければ良い。(兄も)背中を押してくれました。『頑張れ』みたいに」。兄も入学当初から特別な選手だった訳では無い。自分も「(1年生は)ポテンシャルのある選手が多くて、特長のある選手も多い」という前橋育英で最高の競争相手たちと切磋琢磨し、目標とする姿に近づくつもりだ。

「寮生活でも色々な選手から刺激を受けて、近いところにライバルがいるのでみんなで戦っていきたい。3年間を通してチームで必要とされる選手になり続けるために、日々の努力を続けて、あとは普段からみんなから信頼される選手、人になって、2年後に選手権で活躍できるような選手になりたいです」。過程を大事に、3年間一つ一つ積み重ねる。



(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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