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[プリンスリーグ九州2部]飯塚はCBから転向の1年生FW大橋翔太が同点ヘッド。「ホンマに面白い」「時間を操れる」注目株はより怖い選手へ

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前半25分、飯塚高の1年生FW大橋翔太(刈谷JY出身)が同点ヘッド

[10.8 高円宮杯プリンスリーグ九州2部第13節 飯塚高 1-1 鹿児島高 飯塚高G]

「ホンマに面白いと思いますよ、アイツは。普通じゃ止まらないようなボールが止まったり、普通じゃ出せないようなパスが出せたり、ちょっと時間を操れるから。フィジカルでは(岡山内定の3年生DF)藤井に引けを追っていない。逸材ですよ」

 飯塚高(福岡)は、登録177cmの1年生FW大橋翔太(刈谷JY出身)が同点ヘッドを決めたほか、正確なポストワークやスルーパスも披露。中辻喜敬監督は改めてポテンシャルの高さを認め、「決定的なプレーができる選手ですからね。(今後は)決定的なパスもドリブルもシュートもできる選手に」と求めていた。

 大橋は刈谷JY(愛知)時代、CB、ボランチとしてプレー。飯塚進学後も当初はCBを務めていた。だが、夏の1年生チームの試合でFWを務めた際に1タッチ、2タッチでボールをさばく力をコーチ陣が注目。中辻監督が「ほぼほぼ物おじしないです。明らかに前の選手ですね。性格が」という大橋はFWのポジションに本格挑戦することになった。

 まだまだFWとしての経験が浅く、インパクトの強いシュートを打てないなどの課題がある。特別な速さもないが、高校進学まで徹底してトレーニングしてきたという止める・蹴るの技術力と強さは魅力だ。飯塚でも練習中から意外性のあるスルーパスを通すなど異質の動きを見せ、岡山内定DF藤井葉大主将(3年)にパワー勝負で上回ることもあったという。

 また、この日はクロスを完璧なヘッドでゴール。チームのために献身的に走り続ける力もある。「絡んでチャンスを作るという面では自信があるので、あとはゴール前で相手に怖い思いをさせられるかというところです。相手選手に対して怖い選手にもう少しなりたい。自分、1年なので、期待してもらえているんだったら、期待に応えられるように頑張っていきたい」。チームの代表としてピッチに立つ責任感を口にする1年生は、より怖い選手になって勝利に貢献する考えだ。

 選手権で活躍すれば、年代別日本代表入りのチャンスも。「入りたいと言うか、感じてみたいです。自分たちの代のトップクラスがどのくらいのレベルなのか」。中学時代は地区トレセンが最高。高校で県選抜候補になったが、その上のステージのレベルを体感し、基準を学びたいという思いがある。

「同年代の代表、ユーチューブとかで見たりするんですけれども、自分はまだミスがあったり、足元の技術が足りていない。自分の中でプレスをどこまで行けるかとか、球際でどれだけ強く行けるかというところがもう少し上げていけたら代表とかにも呼ばれて頑張れるのかなと思います」。もっともっと成長し、結果も残してチャンスを掴む意気込みだ。

 この後は自身初の選手権予選。「自分、出場できるか分からないけれど、出場できた時はチームの期待を背負って、走るところは走って、決めるところは決めて、チームを勝利に導いて優勝に持っていけたらいい」と力を込めた。

 大橋は「(誘いのあった)他の学校は各県で全国常連みたいな高校が多かったけれど、飯塚には東福岡というライバルがいるので、そこを倒して全国に行くってどんな感じなのかなと思って、それを感じたかったので飯塚にしました」という理由で飯塚へ進学。激戦区・福岡で名門・東福岡高をはじめ、九州国際大付高や筑陽学園高、東海大福岡高といった名のある強豪校を倒して、全国へ行く。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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